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オフィスには河村さんとふくらさんと私。
他の人はみんな帰ってしまった。


「さ、僕はお邪魔なようだから、そろそろ帰るわ。」
「お邪魔って何?」
「お邪魔でしょう。」


ふくらさんと河村さんが談笑しながら
荷物を片づけている。


「じゃ、あんま遅くならないように。」


河村さんが手をひらひら振りながらオフィスを出て行った。



「俺たちもそろそろ出る?」
「そうですね。」
「あんま遅くなるとお店閉まっちゃうし。」



ふくらさんはすでに荷物をまとめていて
手に持ったスマホを眺めている。
私も慌てて荷物をまとめて立ち上がる。



「お待たせしました。」
「いこっか。」



2人でオフィスの戸締りをして外に出た。



「何食べたい?」
「んー、お腹空いてるので何でも食べれそうです。」
「俺も、お腹空いたなー。」



駅の方に歩きながら、2人で検索する。



「この前お肉行きましたもんね。」
「そうだねー。
 あ、あのAさん家の近くの居酒屋とかは?」
「あの須貝さんが酔い潰れた店ですか?」
「そうそう。居酒屋だったらお互い好きなもの頼めるし。」
「いいですけど、ふくらさん家遠くなりますよ?」
「電車1本で帰れるし、大丈夫。大丈夫。」


そう言っている内に、改札にたどり着き
他の候補もなかったので電車に乗って
私の家の最寄り駅まで行くことになった。


車内は少し混雑しているが、ちらほら空席もある。


「あそこ、座りなよ。」
「え、いいんですか?」


1席だけ空いているところにすっと誘導され、
私が座り、ふくらさんが前に立っている。

顔を見上げるのも恥ずかしいので、
しばらく彼の膝辺りを眺めることになった。


車内にアナウンスが流れ、
もうすぐ最寄り駅であることが分かり、立ち上がる。


その時顔を上げると、正面の思ったよりも近くに、
ふくらさんの顔があった。


「いこっか。」


彼は、近いことなんか微塵も気にしてない様子で、
少し微笑むとくるりと出口の方を向いて歩き出した。
心臓が高鳴って痛い。


ホームに降り立ち、先に歩くふくらさんに追いつく。


「ごめん、道案内頼んでもいい?」
「あ、はい。行けると思います。」


さっきのドキドキも少しずつ落ち着いてきて
彼の隣を歩く。

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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