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〜sgi side〜


「Aさん、これ、お願いします。」
「あ、はい。了解です。」


近い。


「すいません、ここなんですけど…。」
「あー、これね。ちゃんと言ってなかったね。」


近いって。


「これ、食べたことある?」
「え?無いです。」
「一個、食べてみて。めちゃくちゃうまいから。」


近すぎるって!
ここ何日か2人の距離が近いのが
気になって気になって仕方ない。


これまでは、隣に乾も居て、
どちらかといえばAと乾がよく話していたけど、
最近乾は元の席に戻っていて居ない。


俺の心が全然穏やかじゃない。



「須貝さんも食べる?」
「え、あ、サンキュ。」



心穏やかじゃない原因のふくらから
突然投げられてきたチョコを口に頬張って
口に広がる甘さで少し落ち着く。
どんな心理状況なんだ、俺。



「須貝さん、次ゲーム撮影しますよ。」
「あいよ。」



遠くから鶴崎に声を掛けられて、撮影部屋に向かう。
部屋には2人。
大きくため息をついて、椅子に座った。



「お?お疲れですか?珍しい。」
「いや、疲れてはないんだが。
 色々難しいこともありますわな。」
「須貝さんが悩んでるのも珍しい。
 仕事関係?プライベート?」
「んー、まあなんとも答えにくい2択。」


思わず苦笑いをする。


「仕事でもあり、プライベートでもある。
 ベン図で言うここのことね。」


鶴崎は両手でOKマークを作り、それを重ね合わせて見せる。


「え?でも、そんな悩みってある?」
「あるよ。」
「あ…え?そういうこと?ん?」
「…おい、もうそれ以上言うなよ。」


鶴崎の鈍感さは、ぐいぐい核心を突いてくるもんだから
慌てて制止した。



「でも、最近あの2人めちゃくちゃ仲良さそうだよね。」
「だから、言うなって言ってんじゃん。もー。」



悪気なく発せられる鶴崎の言葉に、
心とは裏腹に笑ってしまう。



「告って振られたとか?」
「違うよ。ていうか、君の発言、
 俺があいつのこと好きって前提だけど
 そこまだ肯定も否定もしてないからね。」
「え?好きでしょ?そんなの周知の事実でしょ?
 この僕が気づいてんだから、みんな知ってるって。」


鶴崎の言葉に俺は愕然とする。
そんなに分かりやすかったのか、俺は。


「ま、僕はそういうことは、
 全然分からないけど、まあ、ゲームして忘れようぜ!」


鶴崎の言葉でぐちゃぐちゃにされた感情を
再び鶴崎の明るい言葉に立て直してもらう。


「あはは、よっしゃ。やるか!」

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作品ジャンル:恋愛
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琥珀(プロフ) - ユメさん» このシリーズ初めてのコメントがユメさんで、最後もコメントくださって本当に嬉しいです!何とか2人を幸せのスタートラインに立たせれました!そうなんです!首を触る癖めちゃくちゃいいんですよね〜最後まで読んでくださって本当にありがとうございました! (12月16日 21時) (レス) id: 5ab7100f31 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - fkrさんの首に手を当てて話すクセ、魅力的ですよね(完結おめでとうございます! 最後までてえてえたっぷりで大満足です!) (12月16日 16時) (レス) @page42 id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀 | 作成日時:2023年9月17日 23時

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