２０ ページ20
ふくらさんとのデートのことで頭がいっぱいで
結局うまく眠れなかった。
化粧をしながら目の下のクマが気になったが仕方ない。
いつも通り家を出てオフィスに向かった。
「おはようございます。」
鍵を開けて、誰も居ないフロアに挨拶をする。
自分のデスクに座ると
昨日須貝さんからもらったキーホルダーと
須貝さんが置いてくれたであろううなぎパイ。
おやつに食べよう。
パソコンを立ち上げて社内用のチャットを見る。
あ、今日は動画たくさん撮る日だ。
これは、仕事終わらないかもなー。
皆さんがオフィスに集まってくるまでが勝負。
と、思った瞬間、扉が開く音が聞こえた。
「おはよー。」
「お…おはようございます。」
振り返るとふくらさんだった。
いきなりで心の準備ができず、挨拶に詰まる。
ふくらさんはいつも通り、
鞄からパソコンを取り出してデスクに腰掛ける。
「昨日は遅くに連絡しちゃってごめんね。」
「いや、あ、全然！
起きてたので大丈夫です。」
いつも通り、いつも通り…
平静を装ってふくらさんに返答する。
「明日、どこ行こっか？」
スマホを触りながら、普段と同じように話しかけてくる。
私の頭の中は昨日の「デート」の３文字がぐるぐる回って
心臓がいつもより速く打っている。
「んー？どこがいいですかね？
私、超インドアで…」
「あんまり、外好きじゃない？」
「そういうわけではないんですけど。」
正直デートで行くような場所はよくわからない。
ふくらさんはスマホの画面をじっと見つめている。
「じゃあ、おいしいもん食べ行こっか。」
急に私の方を向いて、微笑むふくらさん。
思いっきり目が合ってしまって、私は気まずくて目を逸らす。
「い、いいですね！おいしいもの。
私も調べてみますね。」
慌ててスマホを取り出して検索画面を開ける。
昨日検索した「デート」の画面が出て来て、更に鼓動が高鳴る。
今、絶対、顔が赤い。
「Aさん、嫌いなものある？」
「いや、何でも食べます。
…あ、でもパクチーだけは
ちょっと無理かもしれないです。」
「大丈夫、俺も食べれないから。一緒だね。」
野菜嫌いのふくらさんの味覚とは
絶対に違うと思いながらもそうですねと相槌を打つ。
しばらく黙ってスマホ画面をスクロールしながら
お互いおいしそうなものを検索している。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
00kohaku00(プロフ) - おれんじじゅーす。さん» こちらこそ、リクエストありがとうございました。ko考察第２弾も考えてます！お楽しみに。 (8月2日 2時) (
レス) @page6 id: dd8212c960 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじじゅーす。(プロフ) - koちゃん視点面白かったです！！リク応えて下さってありがとうございます😭 (8月2日 1時) (レス) @page7 id: 7f991e8d5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琥珀 | 作成日時：2023年7月26日 7時
