口にするには勇気がいる。7 ページ10
．
長曽祢「しかし、一度も此処に来た事がないお前が食事を持ってくるとはな。」
燭台切「えっ！？あ、いや、その…。」
長曽祢さんにそう言われた燭台切さんが間抜けな声を出したので、私はうどんを啜りながら目を向けると、燭台切さんは明らかにオロオロしながら目を泳がせていた。
イケメンは何やろーが、どんな声だそーがイケメンですね、分かりました。
太鼓鐘「みっちゃん…っ！！」
燭台切「うﾞっ！」
燭台切さんがいつまでもオロオロしていると、太鼓鐘さんが燭台切さんの腹を肘で小突く。
小突かれた燭台切さんはその箇所に手を当てて太鼓鐘さんを見るが、眉間に皺を寄せた太鼓鐘さんは無言で燭台切さんを見返している。
燭台切さんはちょっと情けない顔をしているのに、相変わらずかっこいい顔で太鼓鐘さんを見ていたが、大きく深呼吸をして私の方を向く。
真面目そうな雰囲気を感じ、私は口の中にあるうどんを飲み込み、持っていた箸とどんぶりをお膳の上に置いた。
燭台切「……僕と君は凄く…曖昧な関係だ。会えば普通に話すけど、僕は君から距離を置いてた。君はそれを察して、あまり無理に近付いてこないよね。それはとてもありがたいよ。…けど、いつまでもそれじゃ駄目だよね。」
燭台切さんは話している内に段々顔が下がっていくが、最後は顔を上げて真っ直ぐ私を見つめる。
燭台切「こんな事を言うのは虫がいいと分かってる。けど、僕は君と仲良くしたい。もし君がいいなら、こんな僕と仲良くしてくれないかな？」
燭台切さんはそう言い、見とれてしまうような微笑みを浮かべ、私に手を差し出した。
突然の事にビックリしたが、私はすぐにその手を両手で包むように掴んだ。
A『も、勿論ですっ！私の方こそよろしくお願い致します、燭台切さんっ！』
燭台切「……うん。それと、伽羅ちゃんと貞ちゃんたちを助けてくれてありがとう。ごめんね、食事中に。それじゃ、食事の続きをどうぞ。」
A『はいっ！では…。』
私はまた箸とどんぶりを持ち、油揚げを食べようと箸でつまんで持ち上げる。
が、私でも分かる程の凄まじい視線を感じ、そちらを見ると目を輝かせているこんのすけが…。
私は無言で油揚げを噛みちぎり、小さくしたやつをこんのすけの口元に持っていくと、こんのすけは素早くそれを口に入れる。
こんのすけ「はぐー。」
くっそ、可愛いっ！！！
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 422人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
嗣美 - 詩織さん» コメント、応援をありがとうございますっ！いえいえ、そんなっ！長曽祢さんだけでなく、私も好きだと仰ってくださるなんて感激の極みですっ！！頑張りますので、これからもよろしくお願い致します。 (2018年1月1日 21時) (
レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
詩織 - 語彙力なくてすみません。作者さんも長曽祢さんも好きです。大好きです。ほんと好きです。頑張ってください!! (2018年1月1日 2時) (レス) id: 12e906a86c (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - ささかまさん» コメントありがとうございますっ！長曽祢さん最推しの私にとって、そのお言葉はとても嬉しく思います。しかも、今一番好きだなんて…っ！これからも楽しんで頂けたら光栄ですっ！！ (2017年12月17日 0時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
ささかま(プロフ) - この作品をみてもっと長曾根さんが好きになりました！今一番好きなお話です。続き楽しみにしてます！ (2017年12月16日 10時) (レス) id: 54d1807de2 (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - Mr.lonelyさん» コメントありがとうございますっ！お褒めの言葉嬉しいですっ！！ (2017年11月3日 19時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：嗣美 | 作成日時：2017年10月3日 0時
