犯人はヤス。2 ページ37
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長曽祢「…仕方ない。もう少し抱えたまま移動するが大丈夫か？」
長曽祢さんに尋ねられ、私は頷く。
A『はい、私は大丈夫です。』
大包平「…まさかそいつを連れていくのか。」
長曽祢「当たり前だ。一人置いていくなんて危険には晒せないからな。」
大包平「梯子を持つのに邪魔だぞ。仕方ない、この俺が守ってやるから置いていけ。」
長曽祢「穴に落ちたままでどうやって守るつもりだ？それに、そう言って危害を加えるつもりじゃないだろうな。」
大包平「何っ！？この俺がそんな卑怯な真似をすると思っているのかっ！！」
上から目せ…得意気にしていた大包平さんは、長曽祢さんの言葉に憤慨している。
長曽祢「いや、しないな。悪かった。」
大包平「は？……わ、分かればいい。」
長曽祢さんにあっさり謝られ、怒っていた大包平さんは明らかに狼狽えている。
だが、すぐに腕を組み、いつもの堂々とした態度に戻る大包平さん。
長曽祢さんは穴を避けて縁側まで行くと、私と右肩にかけていた私の鞄を下ろした。
長曽祢「すぐに戻る。」
こんのすけ「主さまは私にお任せをっ！」
A『いってらっしゃい、長曽祢さん。』
長曽祢「あぁ。」
優しく微笑みながら私の頭を一撫でし、早足で歩いて行った。
私は抱えていたこんのすけを下ろし、袋から下駄を取り出して沓脱石の上に置いた。
A『……あの、大包平さん。』
大包平「何だ。」
A『自室に入ってもよろしいでしょうか？すぐに戻りますので。』
大包平「勝手に行け。」
A『では、失礼致します。』
私は大包平さんに会釈して部屋に入り、文机に置いてある防寒用の羽織を羽織った。
その羽織の横に置いてあった膝掛けを持って箪笥の前まで行き、其処から布を取り出す。
井戸に落ちた時の布だ。
長谷部さんに持ち主を探してもらったが、誰も知らないらしく、此処に置いてある。
あ、前任共でもないらしい。
井戸の中は暗かったし、出た時は酸欠で分からなかったが、鮮やかな青色をしている。
私はそれらを持って部屋を出た。
A『あの、大包平さん。これどうぞ。』
そう言って青い布を大包平さん差し出す。
すると、大包平さんは差し出した布を見て眉をひそめ、次に私の顔に目を向けた。
怒っている……わけではなさそうだな。
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嗣美 - 詩織さん» コメント、応援をありがとうございますっ！いえいえ、そんなっ！長曽祢さんだけでなく、私も好きだと仰ってくださるなんて感激の極みですっ！！頑張りますので、これからもよろしくお願い致します。 (2018年1月1日 21時) (
レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
詩織 - 語彙力なくてすみません。作者さんも長曽祢さんも好きです。大好きです。ほんと好きです。頑張ってください!! (2018年1月1日 2時) (レス) id: 12e906a86c (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - ささかまさん» コメントありがとうございますっ！長曽祢さん最推しの私にとって、そのお言葉はとても嬉しく思います。しかも、今一番好きだなんて…っ！これからも楽しんで頂けたら光栄ですっ！！ (2017年12月17日 0時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
ささかま(プロフ) - この作品をみてもっと長曾根さんが好きになりました！今一番好きなお話です。続き楽しみにしてます！ (2017年12月16日 10時) (レス) id: 54d1807de2 (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - Mr.lonelyさん» コメントありがとうございますっ！お褒めの言葉嬉しいですっ！！ (2017年11月3日 19時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嗣美 | 作成日時：2017年10月3日 0時
