次の一手。 ページ49
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数珠丸とのお茶の時間を終えた三日月は自室を出て、とある一室の襖の前で立ち止まる。
三日月「入っていいか？」
声を掛けると数秒で襖が静かに開き、顔を出した毛利藤四郎がにこりと微笑む。
毛利「どうぞ。」
三日月「おぉ、わざわざすまんな。」
三日月は毛利に一言掛けて部屋に入り、日向正宗が敷いた座布団に座る。
日向「それで、突然どうしたの？」
三日月「いやなに、誰かと一緒に昼餉を食べたくてな。一緒に食べてくれるか？」
毛利「勿論構いませんよ。では、三日月さんの分も持ってきますね。」
三日月「やぁ、嬉しいなぁ。謙信は俺が見ておくから安心しろ。」
日向「うん。じゃあ、よろしくね。」
三日月の横を通りすぎ、二人は部屋を出ていく。
襖が閉まって二人の足音が遠くなるのを待った三日月は座布団から立ち上がり、文机で書き物をしている謙信景光の横に座る。
三日月「今日は一段と寒いが大丈夫か？」
謙信「ぼくはだいじょうぶだぞ。」
三日月「そうか。……そう言えば、審神者が見付かったようだぞ。その話は聞いたか？」
謙信は三日月の方に顔を向けて首を横に振る。
謙信「きいてないぞ。あのひとはぶじなの？」
三日月「あぁ、残念な事にな。……まぁ、手入れを受けていない刀剣もまだまだ居るから、今更居なくなられても困るがな。」
謙信「そう…。ていれは、なんでもなおるの？」
三日月「ん？あぁ、何でも治るぞ。切り傷や刺し傷は勿論、欠損……なくなってしまった体の一部も綺麗に元通りだ。」
謙信「なくなったからだも…。」
ポツリと呟いた謙信の言葉を三日月は聞き逃さず、にんまりとほくそ笑む。
三日月「……そう言えば、謙信。先程から何かを書いているようだが、文字の練習か？」
謙信「そうだぞ。あたらしくおぼえたんだ。」
三日月「おぉ、そうか。凄いな、謙信。」
謙信「えへへ、みてくれっ！」
謙信は誉められた嬉しさからか頬を赤く染めて笑い、持っていた筆で紙に大きく文字を書く。
だが、書かれたそれは一画一画が離れていたり、逆に重なっていたりと、到底文字として読めるものではなかった。
三日月「これは"な"だな？」
頭の中で色々と動かして辛うじて"な"と分かった三日月が答えると、謙信は嬉々として頷いた。
謙信「うんっ！」
三日月「上手だな、謙信。羨ましいぞ。」
謙信「ほんとうに？ありがとうっ！」
三日月はお礼を言う謙信の頭を撫でて見つめる。
白い包帯が巻かれた謙信の目元を。
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嗣美 - ふふおさん» コメントありがとうございますっ！長曽祢さんの夢小説少ないですよね。私もそれが悲しくて自分で書いてしまいました。なので、楽しんで頂けて嬉しいですっ！これからも楽しんで頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年9月26日 1時) (
レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
ふふお(プロフ) - 長曽祢さんの夢小説は比較的数が少ないので、この小説だけが供給源です！ 楽しみに待ってます！！ (2017年9月25日 23時) (レス) id: 0eff09d945 (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - 「」さん» コメントありがとうございますっ！五つもあるので結構長いと思いますが、それを一日で全て読んでくださるなんて嬉しいですっ！！続きは只今作成中ですので、暫しお待ちを。 (2017年9月17日 19時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 今日、この作品を見かけまして一番初めから見てきました！！息をする間もなく見終わる位にパソコンに食いついていましたｗ。続きがとっても気になります！！更新待ってます！ (2017年9月17日 14時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - リズさん» コメント、応援、お褒めの言葉をありがとうございますっ！！いえいえ、そのお言葉が励みになりますから、とても嬉しいですよっ！(*´ω｀*) (2017年8月3日 17時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嗣美 | 作成日時：2017年6月18日 20時
