兄思い。 ページ29
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葉が青々と茂る木に赤や黄色に色付いた木、多くの葉が落ちている木が入り交じる森の中。
本丸の外を探していたにっかりは腰に手を置き、目の前に落ちてきた赤い葉を掌で受け止めた。
にっかり「まったく、彼女にも困ったものだね。居なくなってしまうなんて。」
山姥切「喋ってる暇があるなら黙って探せ。見付かるものも見付からないぞ。」
にっかり「はいはい。」
にっかりが肩を竦めた瞬間、ガサリと自分達ではない者が落ち葉を踏む音が聞こえた。
山姥切とにっかりは本体の柄を掴みながら音が聞こえた方を向く。
二振りの視線の先には浦島虎徹が立っており、浦島だと分かった二振りは柄から手を離す。
山姥切「浦島か。どうしてこんな所に？」
浦島「花摘んでたんだ。何か蜂須賀兄ちゃん、朝から元気ないみたいだったから、花見せて元気になってもらおうと思って…。」
浦島は下ろしていた手を上げて、その手の中にある白い花を見つめた。
にっかり「相変わらず兄思いだね。」
浦島「そんな事ないよ。それで、帰ろうとしたら声が聞こえたから来たんだ。二人は？」
にっかり「彼女が居なくなってしまったから、辺りを探してるんだよ。」
浦島「彼女？……まさか、審神者…さんが？」
山姥切「あぁ。俺たちが大広間に行ってる間に居なくなった。」
浦島「…長曽祢兄ちゃんも探してるの？」
にっかり「勿論だよ。彼は彼女の初期刀で近侍だからねぇ。」
浦島「そっか…。」
浦島は複雑な表情をして俯いた。
その瞬間、肩に乗っている亀、亀吉が浦島の頬を頭で小突いた。
小突かれた浦島は驚いて亀吉を見ると、亀吉は浦島をジッと見つめていた。
浦島「亀吉？……うん、そうだな。…なぁ、俺も探すの手伝うよ。」
山姥切「突然何を言い出すんだ。その花を蜂須賀に見せるんじゃないのか？」
にっかり「それに、君は彼女と殆ど会っていないのに、どうしてだい？」
二振りに見据えられた浦島は、二振りの目を真っ直ぐ見返した。
浦島「あの人は兄ちゃんたちを助けて、また会わせてくれたから…。だから、俺もあの人の為に何かしたいんだ。」
にっかり「……そう。それじゃあ、お願いしようかな。ねぇ？」
にっかりは微笑んで山姥切に目を向ければ、山姥切は頭に被っている布を下にずらして頷いた。
山姥切「あぁ…。人手が増えれば、早く見付かるかもしれないからな。」
浦島「うんっ！俺、頑張っちゃうぞーっ！」
浦島は輝く笑みを浮かべ、二振りに駆け寄った。
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嗣美 - ふふおさん» コメントありがとうございますっ！長曽祢さんの夢小説少ないですよね。私もそれが悲しくて自分で書いてしまいました。なので、楽しんで頂けて嬉しいですっ！これからも楽しんで頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年9月26日 1時) (
レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
ふふお(プロフ) - 長曽祢さんの夢小説は比較的数が少ないので、この小説だけが供給源です！ 楽しみに待ってます！！ (2017年9月25日 23時) (レス) id: 0eff09d945 (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - 「」さん» コメントありがとうございますっ！五つもあるので結構長いと思いますが、それを一日で全て読んでくださるなんて嬉しいですっ！！続きは只今作成中ですので、暫しお待ちを。 (2017年9月17日 19時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 今日、この作品を見かけまして一番初めから見てきました！！息をする間もなく見終わる位にパソコンに食いついていましたｗ。続きがとっても気になります！！更新待ってます！ (2017年9月17日 14時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - リズさん» コメント、応援、お褒めの言葉をありがとうございますっ！！いえいえ、そのお言葉が励みになりますから、とても嬉しいですよっ！(*´ω｀*) (2017年8月3日 17時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嗣美 | 作成日時：2017年6月18日 20時
