悪酒ではなく美酒を。2 ページ16
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太郎「落ち着きなさい、次郎。」
次郎「でも、兄貴っ！！」
太郎「貴方もです。これ以上次郎を煽るような真似は止めて頂きたい。」
太郎は次郎の言葉を遮るように腕を放して立ち上がり、鶴丸を窘めながら次郎の前に立つ。
鶴丸「そんな事言われてもなぁ。」
太郎「貴方も知っている筈です。彼女が用意してくださる酒を、次郎がどんな思いで毎日彼らに手向けているのかを。」
太郎は本体の鐺(ｺｼﾞﾘ)を床に叩き付け、薄笑いを浮かべる鶴丸を見下ろした。
太郎「これ以上そのような事を仰るのであれば、私がお相手しましょう。勿論、言葉ではなく、私自身で……ですが。」
鶴丸「へぇ。」
鶴丸は片膝を立てると、本体の柄を掴んで太郎を睨むように見上げた。
張り詰めた空気の中、全員の目が集まる二振りから障子に視線を移す三日月。
いつの間にか開いていた障子の間から一期が立っているのが見えた。
その隙間から部屋の中を覗いている一期は、三日月に目配せすると音もなく障子を閉めた。
それを見届けた三日月は他の者に気付かれぬよう手で口元を隠して笑い、鶴丸の背中に視線を移す。
三日月「落ち着け、鶴丸。俺は争う為に話し合いの場を設けたわけではないぞ。」
鶴丸「…………あぁ、そうだな。」
本体の柄から手を放し、三日月の隣に座る鶴丸。
三日月「これではまともに話せんな。今回はもう終わりにするか。」
三日月のその言葉に、腕を組んで胡座をかいていた長曽祢は眉をひそめる。
長曽祢「脅すように呼び出しておきながら、一方的に解散だと言うとは随分と理不尽だな。」
狐「ですが、長曽祢様っ！三日月様の仰る事も一理あるかとっ！なにより、このままお話を続けていたら皆様の仲が悪くなってしまいますっ！！」
鳴狐「…………。」
狐の言葉にコクりと頷いて同意をする鳴狐。
山伏「狐殿の言う通りであるな。皆、一度頭を冷やすべきであろう。」
蜻蛉切「主も我々がいがみ合う事を望まぬ。」
長曽祢「……そうだな。失礼する。」
長曽祢は立ち上がり、それだけ言うと大広間を後にした。
他の刀剣達もゾロゾロと大広間を出て、それぞれ離れか自室に向かう。
最後の刀剣が障子を閉め、大広間に二振りだけになると、三日月は責めるような鋭い目を鶴丸に向けた。
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嗣美 - ふふおさん» コメントありがとうございますっ！長曽祢さんの夢小説少ないですよね。私もそれが悲しくて自分で書いてしまいました。なので、楽しんで頂けて嬉しいですっ！これからも楽しんで頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年9月26日 1時) (
レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
ふふお(プロフ) - 長曽祢さんの夢小説は比較的数が少ないので、この小説だけが供給源です！ 楽しみに待ってます！！ (2017年9月25日 23時) (レス) id: 0eff09d945 (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - 「」さん» コメントありがとうございますっ！五つもあるので結構長いと思いますが、それを一日で全て読んでくださるなんて嬉しいですっ！！続きは只今作成中ですので、暫しお待ちを。 (2017年9月17日 19時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 今日、この作品を見かけまして一番初めから見てきました！！息をする間もなく見終わる位にパソコンに食いついていましたｗ。続きがとっても気になります！！更新待ってます！ (2017年9月17日 14時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - リズさん» コメント、応援、お褒めの言葉をありがとうございますっ！！いえいえ、そのお言葉が励みになりますから、とても嬉しいですよっ！(*´ω｀*) (2017年8月3日 17時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嗣美 | 作成日時：2017年6月18日 20時
