悪酒ではなく美酒を。 ページ15
．
大広間に集まった長曽祢達は、三日月と鶴丸に向き合うように座っている。
最初は話し合いをしていたが、今では話し合いとは言えない程ヒートアップしていた。
だが、鶴丸より三歩程後ろで座っている三日月だけは無言でそれを見ていた。
加州「だーかーらー、あの人がそんな真似するわけないじゃんっ！！」
鶴丸「だから、どうしてそう断言出来るんだ？」
大和守「もし前任と一緒だったら、もうとっくに僕たちに手を出してるよ。」
鶴丸「それがあいつの策だったら？自分は何の害もない人間だと信じさせて、いいように操るつもりかもしれないぜ？」
獅子王「俺にはあいつがそんな事するようには見えねぇけどな。俺がカマかけたら簡単に引っ掛かるような奴だぞ。なぁ？」
獅子王は同意を求めながら、隣に座っている小烏丸に目を向けた。
小烏丸「あぁ。……お前は主の事を何も知らぬ。それどころか知ろうともせぬ。それなのに勝手に決め付けるなど、父は悲しいぞ。」
陸奥守「そうじゃな。おまんも顔合わせて、言葉を交わした方がええと思うけんど。」
鶴丸「……貞坊を折ったのがあいつではないにしても、前任と同じ人間だ。それなのに、知りたいと思うか？ハッ！あり得ないね。」
鶴丸は頭だけを横に向け、耳の辺りまで上げた手を緩く左右に振る。
その顔は相変わらず笑ってはいるが、不愉快そうに歪んでいた。
次郎「仲間を失ったっていうならアンタだけじゃないだろ。アタシらだって今でもツラいさ。」
鶴丸「"仲間"？きみが仲間……ねぇ。」
次郎「何だい、その言い方。アタシが仲間じゃないって言うのかい…っ！？」
驚いたように目を見開いて自分を凝視する鶴丸に激昂し、次郎は立ち上がる。
鶴丸「そういうわけじゃないさ。……だが、きみはいつも一人で飲んでいたじゃないか。あの二人が折れてからは。」
次郎「当然だろっ！？あんな奴の飲み残した酒をあの二人にやれるわけないじゃないかっ！」
鶴丸に詰め寄ろうと一歩前に出る次郎だが、腕を掴まれて足を止める。
振り向いて確認すると、次郎の腕を掴んでいたのは隣に座っている太郎だった。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 427人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
嗣美 - ふふおさん» コメントありがとうございますっ！長曽祢さんの夢小説少ないですよね。私もそれが悲しくて自分で書いてしまいました。なので、楽しんで頂けて嬉しいですっ！これからも楽しんで頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年9月26日 1時) (
レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
ふふお(プロフ) - 長曽祢さんの夢小説は比較的数が少ないので、この小説だけが供給源です！ 楽しみに待ってます！！ (2017年9月25日 23時) (レス) id: 0eff09d945 (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - 「」さん» コメントありがとうございますっ！五つもあるので結構長いと思いますが、それを一日で全て読んでくださるなんて嬉しいですっ！！続きは只今作成中ですので、暫しお待ちを。 (2017年9月17日 19時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 今日、この作品を見かけまして一番初めから見てきました！！息をする間もなく見終わる位にパソコンに食いついていましたｗ。続きがとっても気になります！！更新待ってます！ (2017年9月17日 14時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
嗣美 - リズさん» コメント、応援、お褒めの言葉をありがとうございますっ！！いえいえ、そのお言葉が励みになりますから、とても嬉しいですよっ！(*´ω｀*) (2017年8月3日 17時) (レス) id: c02e9c13bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：嗣美 | 作成日時：2017年6月18日 20時
