7. ページ7
.
.
「A!50m走 何秒だった!?」
「ふっふ〜〜ん。7.50!!」
「はや!!!敵わない!!!!ひええええ。」
空を見上げると雲一つない晴天でまるで俳句がかけそうな、それくらい良い天気の今日。
立海大付属高校の恒例。
体力測定だ。
無駄に顔面偏差値が高いこの高校は、
体力測定は体育祭に次いで戦争となる行事である。
代表格は硬式テニス部。
特にレギュラー陣の顔面偏差値は測定不能なくらい高く、そのうちの誰かが走れば声援が上がるほど。
「丸井。50m走何秒だった?」
丸井の背後から脅かすように問いかけると
丸井はブワッと頬を染めた。
今日はいつもより気温が高いせいかな、と思ったAはふとおでこに手を当てた。
「丸井 無理しすぎなんじゃない? そこそこ脂肪あるんだから、気をつけなよ。」
「お前は一言余計だよぃ!!!!!!」
ふははは、と笑ったAにつられて、丸井も笑い出した。
「A〜〜!次ハンドボール投げだって!」
「りょーかい!今行く〜!!」
丸井と軽い挨拶を交わしてAは呼ばれた方へ駆け足で向かった。
一人の少年の中で何かが始まった。
*
「25m!」
「Aの腕力半端ない!!なに!?」
Aにとっては不足な記録であったが、周りから見たら相当いい記録だったのか、褒められまくったA。
頬がみるみるうちに染まっていき、頭を軽くかいた。
ふと水が飲みたくなったAは、水道へ向かうため走り出した。
視界がぐにゃりと歪み、極度なほどの頭痛
足に力が入らず ずり落ちた感覚
言葉を喋ることが出来ず、ただ倒れた
あぁ、地面に当たる
思った瞬間
誰かに支えられ 体制を保つ事が出来た
誰だかわからない
誰だ、誰なの
視界が定まらない
顔が見えない
腕を伸ばした
「 ...ぁ、.......だ... 」
暑すぎる日差しに目を閉じた
聞こえたのは 友達の心配する声
私の名前
そして、聞き覚えのある声
.
.
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな 梅 。(プロフ) - はな梅。の新垢です←←←←← (2017年6月1日 18時) (レス) id: 243f0f5015 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はな梅。 | 作成日時:2017年4月30日 10時