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1日の授業が終わった教室は、夕焼けに染められていた。
その中で1人の少女が、机に突っ伏していた。
平野Aであった。
彼女は綺麗に整った顔を少し歪めていた。
その表情に明るい平野Aはいなかった。
深く目をつぶり、大きく溜息をつき
ゆっくりと立ち上がった。
夕日が平野Aを照らしていつもよりも大人に写った。
少し泣いていたのか
瞳が潤んでそれもまた皮肉な程に綺麗に見えた。
*
立海大付属高校 硬式テニス部の参謀
柳蓮二の元に来客が訪れた。
立海大付属高校硬式テニス部を担っていくだろう人材の切原赤也だ。
少し小生意気な態度が鼻につくが、て純粋テニスが好きで純粋に先輩を慕っている。
ワカメ、というとキレるのが玉に瑕だが。
「どうした、赤也。」
「や、柳先輩...。」
怯えたようなそんな表情で訪れた切原。
この時間帯は朝練が終わりそうな時間。
柳は生徒会の仕事があったため朝練を欠席したが、切原は違う。
何かあったのだろうか、多少の不安を持ちながらも切原を見据えた。
「実は______」
*
「ふむ、面白い。」
柳は顎に手を添えて呟いた。
そんな余裕の柳を心から尊敬する切原でさえも
流石に今回の件は余裕ではいられないと思い若干柳を引いた。
「ほう。あの精市がな。面白い。」
実にな、と付け足した柳に切原は鳥肌を立てた。
「全然面白くないんすよ。逆に気が抜けるっていうか...なんて言うか.....その。」
「...赤也は精市がも恋の1つもしてはいけないというのか?」
柳が真顔で聴くと、赤也は頬を赤らめながら「声が大きいっすよ!!」と口の前で指を一本立てた。
時刻は8時。
生徒達も登校してくる時刻となり、ちらほらと生徒が目に入るようになってきた。
「そういえば赤也。 朝練の途中ではなかったか?」
ずっとあ疑問に思っていたこと赤也にぶつけると、赤也は間抜けな声を出した。
そして顔を真っ青にさせ、その場を猛ダッシュで去っていった。
「...赤也が精市にキレられる確率、99.9%...だな。」
" 幸村部長 多分誰かに恋してるんすよ。 "
柳の頭の中には
そんな赤也の声が響いていた。
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はな 梅 。(プロフ) - はな梅。の新垢です←←←←← (2017年6月1日 18時) (レス) id: 243f0f5015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな梅。 | 作成日時:2017年4月30日 10時