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夕焼けで自分の影が大きくなってくると不意に溜息が出てしまう。
あぁ今日も終わってしまう、と。
今日も全力で生きれただろうか。
今日も悔いなく生きれただろうか。
今日も楽しく生きれただろうか。
Aは夕焼けを見ながらいつも考える。
1日1日が大切な事をAは痛いほど知っているから。
後悔なんて残してはいけない事を知っているから。
「今、何が欲しい」と言われたらなんて答えるのだろうか。
Aは迷わず答えるだろう。
「時間」だと。
＊
「平野、はよ！」
朝、いつも通りの丸井の笑顔が見れて
Aは心の底から安心した。
「丸井！おはよう！」
Aはまた向日葵のような笑顔で挨拶を交わした。
丸井の顔は無意識なのか綻んだ。
どんどんクラスに人が増えて来て、教室が騒がしくなる。
Aはその瞬間が何よりも好きで、学校にいる幸せを感じている。
「A〜〜！」
不意にドアの方から名前を呼ばれて振り向くと、そこには顔を赤くした櫻子と幸村が立っていた。
ぱっ、と幸村と視線が合うと何故か視線を外すことが出来なくて動きが止まる。
また、幸村の目に吸い込まれてしまう。
Aは謎の恐怖心を抱いた。
「幸村...？」
どうしてだろう、とAは思いながらも足を進めた。
呼ばれた方に着くと櫻子は「では」と言って、小走りで去っていった。
「あ、ちょ！」
はぁ、とAは溜息を着いて
ゆっくりと幸村の方に視線を向けた。
「平野さん、ちょっといいかな？」
真剣な瞳に反抗する気にもなれずに。
Aは首を縦に振って 幸村の後を着いて行った。
＊
訪れた場所は屋上。
綺麗な花達が太陽に照らされて美しく見える。
雲一つない青空と鮮やかな色の花。
思わず声が漏れた。
「花、すごいだろう？」
「え、あ...うん。凄く綺麗。」
「この花、俺が手入れしているんだ。」
驚いて幸村の方を見ると、花達を愛おしそうに見ていた。
白く細長い指で花に触れると、花は嬉しそうにしているように見えた。
「幸村君...どうしたの？」
「あぁ...君と話したくてさ。」
幸村がAの事を見ている視線をAは感じていたが、目を合わせることが出来ず。
ただ花を見つめていた。
チラ、と幸村の方を見てみると
表情は見えなかったものの耳がほんのり赤くなっていた。
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はな 梅 。(プロフ) - はな梅。の新垢です←←←←← (2017年6月1日 18時) (
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作者名：はな梅。 | 作成日時：2017年4月30日 10時
