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「はぁ...」



丸井の溜息は虚しいほど響いて一人でいることをより一層湧き立てた。


保健室に行く、と言ったが丸井はそんな気分ではなく。



「俺、何してんだろ。」


自然と屋上へ足を進めていた。



別に振られたわけではなかった。
直接「ごめん」と言われたわけではなかった。

だが「ごめん」と言われなくても
「忘れてくれよぃ」
と言った時のAの顔は微かに微笑んでいた。

それが虚しくて切なくて。
それでもAの事を、丸井は軽蔑したり嫌いになったりできないのだ。


惚れた弱み、というものだろう。




気まずくなるなら告げなければよかったと思っていた。

丸井は告げたあと 酷く後悔したが
その後悔はAの笑顔によって消し去った。



あの明るく向日葵のような笑顔を見れば
後悔なんてものが小さいものに見えてきたから。

本当に太陽のような子だ、丸井はしみじみと感じていた。









丸井の頬には涙が伝っていた。




いつも笑っている丸井。
丸井は泣いている自分など、見せない。


そんな丸井を泣かせてしまうくらい
Aはそれくらい大切にされていたのだ。



「はっ.......ふ、っ.....ぅ」



涙に気付いていなかったのか
手すりについた涙を見て手で涙を拭った。



拭っても拭っても、止まらない涙。



その涙が丸井に嫌という程気持ちをわからせようとする。




風が吹いて、屋上にある花達を揺らし
丸井の鮮やかな赤色の髪の毛をも揺らした。

太陽の光が丸井の顔を照らす。


涙を流している丸井は皮肉なほど綺麗だった。



「やっべぇ.....、教室戻れねぇ、よぃ.....っ」


半分呆れながら丸井は涙を拭った。

空を仰ぐと、雲一つない綺麗な青空が丸井の視界に映る。









「あーーーー、何で離れねぇんだよぃ。」


目をつぶってもA
空を見上げてもA


丸井の頭からAが離れなかった。

あぁ、こんなにも好きだったのか、と丸井は自覚した。


「今だけは、泣かせてほしいぜぃ.....っ」









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高校2年生のお話ですが、丸井とAは
高校1年生の頃から友達でした。

無理矢理な設定、申し訳ないです。

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はな 梅 。(プロフ) - はな梅。の新垢です←←←←← (2017年6月1日 18時) (レス) id: 243f0f5015 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな梅。 | 作成日時:2017年4月30日 10時

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