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電車に揺られてから
学校までの海沿いの道を歩く。
夏を告げる風がAの髪の毛を弄んだ。
それを抑えように髪の毛を耳にかけた。
Aが不意に海に視線を向けると朝早いのに子供たちが海で遊んでいる。
楽しそうに、笑顔で。
「楽しそうだなぁ.....私も遊びたい。」
Aは本当に羨ましそうな表情で子供たちを眺めていた。何処か切なそうな雰囲気を醸し出していた。
ふぅ、と息をついて足元に転がっている石を蹴飛ばしてまた歩き始めた。
*
「ねぇ、A。」
「なに?」
「なんか変わった?何ていうか、その〜うん。」
Aの友達の 高橋櫻子 は人の変化にすぐ気付く方だ。
前髪を切ったらすぐ気付くし、リップを変えたことにも気付く。
趣味は人間観察だと言う。
「変わった、かな?ん?」
「何かさ昨日倒れたじゃん?.....あ!!!倒れたといえば!!!!!!!!」
櫻子が椅子から立ち上がり、大声を出したためクラス中の視界は櫻子に向かう。
数秒の沈黙のあと、Aが吹き出すとクラス中が笑いに包まれた。
櫻子の方は耳を真っ赤にして静かに椅子に座った。
「で、なんか変わったよね...」
「そうかな?」
「そうだよ!絶対変わった!!」
丁度いいタイミングで担任が教室に入ってきて、HRが始まった。
コツン、何かが肩に当たった。
視線を横に向ける。
「...!」
丸井がAに何かを投げたようだ。
視線を向けても合わせようとしない丸井に苛立ちを覚えたが、小さく深呼吸をしてくしゃくしゃになった紙を開く。
Aの大きな瞳がもっと大きくなった。
「丸井...っ」
「先生、俺、下駄箱に忘れ物したんでとってきまぁーす!」
Aが呼び止めたのを知らないふりをして
丸井は教室を出ていった。
Aは手に残った紙を見て、目尻を熱くした。
唇を噛み締め、くしゃくしゃな紙を強く握った。
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" 俺、お前の事好きだ。 "
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はな 梅 。(プロフ) - はな梅。の新垢です←←←←← (2017年6月1日 18時) (レス) id: 243f0f5015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな梅。 | 作成日時:2017年4月30日 10時