ワンダショ追っかけ女子高生 (ページ11)

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「本日はありがとうございました！」

4人がステージの上でお辞儀をすると、盛大な拍手が送られる。

次は一人で来て、ショーを最前列ど真ん中で見てみたいな。

フェニックスワンダーランドを出て、電車に乗って帰路に着く。

途中まで同じ方向との事だったので、一緒に住宅街を歩いた。

「今日はありがとう、東雲くん」

「おー」

「寧々ちゃんの歌も素敵だったし、ステージにあるすごい機械全部神代先輩の発明だっていうし、
えむちゃんの表情豊かさに私も釣られちゃったし、

司先輩ほんとにかっこよかった……」

つい早口で喋り倒してしまう私に、それは良かったな、なんて苦笑いをする。

しばらく今日のショーのことでべらべらと一人でお喋りしていると、途中で東雲くんが止まったのでつられて止まった。

「…なんで司センパイは名前なんだ？」

「え？と、特に大きな理由なんてないけど…
強いて言うなら同じ苗字の子が友達にいて…だから司先輩って呼んでる」

ふーん、と東雲くんは言い、しばらくの沈黙。

「…じゃあ俺のことも名前で呼べよ」

「えっ」

「いいだろ別に。俺も佐藤のことAって呼ぶから」

「えっ」

「嫌なんかよ」

「い、嫌じゃないけど…わかった」

「ん」

ほら行くぞ、とまた歩き出したので慌てて着いていく。

「あ、ついた…」

へー、と家をチラリと見て私の方を向いた。

「はやく中入れよ」

「うん。彰人、今日は本当にありがとう！」

「へーへー、じゃあ月曜な」

またね、と手を振り、私が家に入るまで見送ってくれた。

部屋について窓の外を見ると逆方向に歩いている彰人。

「途中まで同じ方向だからって言ってたのに…」

わざわざ送ってくれたの優しいな、なんて思った。