【dcst】科学の世界なのに非科学的な私 (ページ9)

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さて、今から石の鑑定会が始まるので私は退避かな
何回見てもアレだけは分からない

「早速クロムの科学倉庫に…と、言いたいところだが」

『？』

「取り敢えずAテメーも仲間にしてぇな。聞いた限り、テメーも戦力になんとしても入れたい」

科学王国の仲間か……

『じゃあ、クロムにやったみたいに私の妖術も種明かししてみてよ。出来たら仲間になる』

そう、私は千空に無理難題を言った

別に、科学王国に入りたくないわけではない
謎の子供を演じるわけでもない
逆張りでもない

私も悩んでいるのだ

科学王国に入れば楽しいだろうが、自由は減る
司帝国の奇襲にも対処したいし、もっと鍛えておきたいという気持ちもある

「よし、当ててやる」

『言ったね？銀狼、このツボに川の水を溜めてきてくれない？』

「わかったよぅ！」

1リットルくらい水を貯められるツボを銀狼に渡した

それとともに、私は火も用意する

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「Aちゃんの妖術久しぶりだね！」

「最後に見たのは確か半年前だったな」

「金狼までスゲーはしゃいでんな」

「そりゃそうだな！たまに妖術のショーを披露してくれるんだ。この村の者はみんなAの妖術が大好きだぞ！」

「あー、金狼がクロムの妖術は毛嫌いしていたのに、Aの妖術は受け入れていた理由がやっと理解できたわ」

観客はたった5人

普段のショーの3分の1ぐらいか

でも、十分

いつもの私を出し切る

目の前には水が入ったツボと、焚き火程の小さな火

そして観客の5人

フードを被る

『皆様、ごきげんよぅ。本日は、こちらのなぁ〜んの変哲もない水と炎を使いまして、大迫力の妖術をご覧いただきまぁす』

演技口調で大袈裟に話す
自分が話してるとたまに分からなくなる

『それでは、水が生きている姿からご覧くださぁい』

そう言い、水を妖術で動かす

水のは形を変え、2匹の鯉になり、空中を泳ぐ

「っ！！」

『お次は、炎の生きている姿でぇす』

炎も操り、2匹の馬に形を変え、空中を走る

『おや、水の神と炎の神になれるそうですねぇ』

そう言い、水と炎を同時に操り、

水は1匹の龍
炎は1匹の不死鳥に姿を変え、空中を舞う

2匹は交差し、幻想的な風景

私が手を叩くと、花火のようにこれまた綺麗に水と炎は散った

『これで終演です。本日も、誠にィありがとうございました』

終わると共に鳴り響く拍手の音

この音が気持ち良い

ああ、やっぱりショーは楽しい