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千空が御前試合に優勝し、ルリ様と結婚して約10秒で離婚し、ラボに帰ってきた
16歳でバツイチって…なかなかに強烈な肩書きだと思う
川の水で竹クルクルマシンを作って設置してる間に、私はクロムを俵担ぎでラボへと運んでいる
千空の命令でね
まあ、こっちはラムネがかかってるから従うけど
『クロムぅ〜。今起きないと辛い思いするのはクロムだよ〜。知らないよ〜。』
でも起きない
ちょうど千空たちも川から戻ってきたみたいだった
「千空も鬼じゃないんだよ。クロムを安全な科学王国に運んで安静にしてあげてるんだよ…」
スイカが感動で涙ぐみながら言う
『スイカ…それは千空を美化しすぎだよ。』
スイカのセリフなんぞお構いなしに、千空はクロムの鼻にアンモニアを付けた棒をぶっ刺す
「ふが〜〜！！！！」
「おら、とっとと起きて加勢しろ科学チーム！」
臭さに悶えてるクロムをゲシゲシ踏みながら、鬼畜なことを言う千空
それにはコハクちゃんも「鬼だった…」と引いた言葉を漏らす
「あとは素材組み合わせるだけで完成だ。明日までに仕上げるぞ、万能薬サルファ剤！！」
「明日！？」
「おおおおお！！」
『なかなか鬼畜だなあ…』
私は一緒にサルファ剤作るチームらしい
…今夜は寝れないと心得よう
ーーーーー
ーーー
ー
翌朝。
フラスコを両手に持ち、ラボへゲンがやってきた。
朝イチで聞いたのは、ゲンの声にならない悲鳴だった
そりゃそうだ。千空、クロム、私の三人はボロボロで、床や机にも何かの破片が散乱している。
何も知らなかったら“なんの事件現場だよ”と思う
「爆発でもあった？？またゴイスーだねこりゃ。何をどうしてこうなっちゃったの」
『ゲン…それは千空の説明を聞いて理解できると思って聞いてるの？？』
「ククク。あ゛ー、まあ大したことはやっちゃいねえよ。酢を焼いた貝にかけて、硫酸で追い出した氷酢酸を鉄パイプで…」
専門用語聞いても何も分からないから、私は途中から聞くのを諦めた
「最後に！その炭酸だ」
思考を止めてたら、炭酸の話まで進んでいた
「そうそう！千空ちゃん、これってまさかとは思うけど…」
「ああ…炭酸と言やあ…！」
「！！炭酸と言えば…！！」
『炭酸と言ったら！？』
「水酸化ナトリウムと混ぜて重曹にする！！」
「…だ・よ・ね〜。そうそう重曹。俺もそう思ってた〜」
『しっかりと私たちの期待を裏切る…』
「？」
ゲンが私のことを物珍しそうに見てくるのは気のせいかな
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作者名：胡瓜 | 作成日時：2023年8月28日 1時
