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『…やだなぁ！千空、私はただの9歳児だよ？』
「ただの9歳は自分のことをそう言わねえわ」
『それもそうか。そうだねぇ。ここは…“君のような勘のいいガキは嫌いだよ”ってか？』
私はふざけたように笑う
「テメーはなんなんだ」
…これ以上は言い逃れできない
そう悟った
『私は別の世界から来たんだよ。所謂、“異世界転生”ってやつかな？』
「異世界転生？そんなことがあり得るのか」
『あり得たから私は今ここに居る。私の居た世界は、君たちの言う旧世界みたいな世界だよ。文明は発展していて、日常に科学が溢れてる世界。』
「……転生ってことは…死んだのか？」
『そ。車に轢かれてね。ﾊﾟｰｰｰｯﾝって！死んだらいつのまにかこの世界に居たってわけ。』
「なんで、んな呑気そうなんだよ。だが、ただ転生したってわけなら、ゲンのやつがボコられる未来は知らなかったはずだ。」
『説明したらながぁ〜〜い話になる。まあ、強いて言うなら…………私はこの世界の殆どの事を知っている。過去も、未来も。流石に全部は無理だし、人類全員起こすかは知らないけど。』
あくまでヘラッとして話す
「そんな…なんで早くに言わなかった」
『圧がすごいねぇ。そりゃそうか。言って欲しかったよね！私が居るだけで戦況が変わるし、この世界も変わるかもしれない。……いや、それがダメなんだ』
「…何がダメなんだ」
『私が大きな行動を起こさないから、私の知ってる未来から外れていない。でも…』
「…そうか！その知識を使って未来が変わったら、今後どうなるか分からない…！」
『そゆこと。私の知識も使えない。ただのギャグになるのさ。』
そう。ストーリーの軸がズレてしまったら意味がないのだ。
「なら、その知識を何に使うつもりだ」
『……私は、誰の血一滴たりとも流させたくないの。無血開城ってやつ？私、国語の授業サボってたから分かんないけど。誰が瀕死状態になるか、誰が誰と対立するか…知ってるからこそ防げるじゃん？そのために使う』
「ゲンのもそうか」
『そう。あのままにしてたら、ゲンは顔面をボカスカ殴られた挙句、腹に槍を刺されて重症。死ぬ訳ではないけどね。でも、血を流させたくないから。だから動いた』
私も、ヘラヘラして余裕ぶりたいのに無理になってきた
正真正銘のマジ話だから
「なんでそんな血を流さない事に拘る」
『千空、君も無血開城を望んでるでしょ？それと同じ』
「いや、テメーのは何か違ぇ気がする。何故だ」
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作者名：胡瓜 | 作成日時：2023年8月28日 1時
