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？「もしかして、僕の事呼んだ？」
突然背後からする声に肩を跳ねさせてベンチから勢いよく降りて後ろを向くと、見知らぬ男性が立っていた。男性は私の反応を見るや否や喉から不思議な音を出して手を叩きながら笑い、「そんなにビビらなくても」と混乱する私を落ち着かせるように両手を軽く振った。
『ッ、えっと、あの、…だれ、ですか、』
？「今名前呼ばなかった？「キム・ソクジンさん」って。」
そう言われてやっと気付いた。笑顔は絶やさないが、それでいて何だか奥深いような表情を浮かべた男性はまた口を開いて「呼んだでしょ？」というように首を傾げてベンチの背部分に肘を着いている。
『…あなたが、』
TH「噂をすれば来るじゃん。」
JK「あ、ジンヒョン。ヒョン達はどうしたんです？」
JN「テヒョンは何でそんなイヤな顔するのㅋㅋあぁ、ユンギ達なら基地に居るよ。皆テヒョン達来るの楽しみにしてるんだから。特にナムジュン。」
テヒョンさんが嫌そうな顔を浮かべれば軽く肩を二度叩いて笑い、グクがヒョン達はどうしたんだ、と聞けば優しく諭すように場所を教える。そして遠回しに誘う言葉を忘れずに。
JN「……というか、A。君が居たのはすごく好都合だよ。君も一緒に海に行かない？僕ら運命なんだよ。だから絶対に楽しい。ね？行こう？」
グクに向けていた瞳が不意にこちらへと移される。
私を見て何処か懐かしげに思う声色で、知らない筈の名前を口にした。怖い、そう一瞬だけ思った。でも何だか安心出来た。何故だか分からないのが余計に恐怖心を煽る。
TH「え、アンタ何でAの名前知ってんの。」
JK「…Aも、？」
JN「当たったの？ㅋㅋㅋ勘だよ勘。何か浮かんできたら言ってみただけ。……で、どう？悪くないでしょ？海。」
まるで取って着けたような信憑性の無い理由をつけて直ぐに話を逸らすソクジンさんにまだ沸いてくる恐怖心があるが、「海」「運命」そんな言葉を並べられては少し行ってみたくなる自分が居る。
『…行きたいです、海、運命なら、楽しいですよね、』
不意に口が開く。自然に漏れ出す言葉は止まらず、グクとテヒョンさんの視線がやけに刺さった。
「どうして」「何で」「怖くないの」
と疑問をぶつけるような視線にこちらも視線を移す。
「怖くない」「楽しいよきっと」
不安が無い澄みきった瞳かは自分では分からないが、少なくとも光は灯っているだろう。
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作者名：YunA x他1人 | 作成日時：2022年10月5日 23時
