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「ねぇねぇ、アンタのお父さんってさめっちゃイケメンだよねぇ！！お母さんどんな人なの？マジ見たこと無いから分かんないじゃん？アンタもアンタで全然教えてくんないし。」
『ん〜、どうかな？分かんないやㅋお母さん？お母さんはね、綺麗な人だったよすっごくㅎㅎ』
「え〜？何その歯切れ悪い感じ、一番最悪。はぁ〜イケメンのお父さんに美人なお母さんかぁ、そりゃこんな綺麗な顔した子生まれるよねぇ。素行はチョー悪いけどさㅋㅋㅋㅋㅋㅋ」
私の机をバンバンと叩きながら大きな声で話す女子。止めてよ、壊れちゃうじゃん。
「あ、そーだ。あたしさ、今日アンタん家行こうかなぁって思っててさ。だってイケメンは見たくない？ㅋㅋあわよくばそのまんまお近づき、♡とか！！ㅋㅋㅋ」
『…ごめーん、！！今日さ、ちょっとうち用事あって無理かなぁ、』
「え？何の用事？」
『出掛けるんだよねぇ、だから無理！！マジでごめん！！』
「……は、つまんな。自分よりアタシの時間優先しろよ。アタシが顔が良いだけの小汚いアンタの家行ってあげるつってんじゃん。サイテー。」
思い切り机を蹴って飲んでいた飲み物を頭や椅子に撒いてそそくさと自分の席へと戻る女子。また掃除しなきゃ。そんなに怒らないでよ。私だって、こんなこと言いたくない。
「……授業始めるぞ〜。…また飲み物溢したのか、A。いい加減にしろよ。掃除は自分でやれ。授業受けたいならな。」
手に持っている教科書をチラチラと確認しながら入ってくる担任は、私の足元や机を見るなり態と大きく溜め息を吐いて怒ったような声色でガツンと釘を刺してくる。そんな中でも、うるさかった女子はクスクスと手の平を口に当てて肩を少し震わせながらもこちらを見て笑っていた。
『…あ、御免なさい、今掃除しま〜す。』
間延びした返事を返せば、先生はこちらを厳しく睨むがお構いなしに持っていたポケットティッシュで床や机を拭き続ける。入っていた氷も器用に包んで捨てる、吹いて包んで捨てる。
それを数十回繰り返したあと、やっと掃除が終わった。終わった後は湿った椅子に座って、湿った机に肘を着く。少しだけ恨めし気にうるさかった女子を見ると女子は突然口を開いた。
「ッ、センセー！！今Aちゃんがぁ、ジュース溢したのはアタシのせいだって、」
そう言ったうるさかった女子は、
口角を上げてニヤリと私を睨んだ。
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作者名：YunA x他1人 | 作成日時：2022年10月5日 23時
