# ページ27
.
「……すみません、その子僕達の連れなんですけど。」
路地裏の入り口のような場所の壁に凭れダルそうにそう言い男達を睨みを効かせる誰かの影。余りにもタイミングが良すぎて疑ってしまうが、今は疑っていたって仕方が無い。きっと、きっと誰かが助けに来てくれたのだと。希望の光が差し込んだというのにそれを自分から遮る程私だって馬鹿じゃない。
『ッ、助けて、』
そう声を張り上げて言うと、壁に凭れていた誰かは落ちていた鉄パイプを拾って私のスカートを男達の頭に二度ずつ殴り付ける。それでも立ち上がろうとする男の足には酷く何度も打ち付けた。
『…、ナムジュンさ』
NJ「ごめんね、一人だけにしちゃって、ホントは残らなきゃいけなかったんだけどどうしても呼ばれちゃってね、ホントにごめん、」
溢れる程ではないが、少しだけ出ていた涙を袖で拭う。お礼を言おうと口を開くとそれを遮るようにナムジュンさんが口を開いた。何度も何度も謝った後、また私が口を開こうとしても人差し指の先を唇に付けて「もう少しだけ喋らせて」と申し訳無さそうに笑って言った。
NJ「Aさんって、本当に僕達と居たいの？」
笑顔は絶えない。ニコニコと、目は細いまま。
本当は単純で直ぐに頷いてしまえば良いものなのに、何か簡単な問いでは無い気がする。
ナムジュンさんは私に居て欲しくないのか、なんて考えたりもしたがそんなのナムジュンさんに対して失礼が過ぎる。返答が遅れ過ぎるのは良くない、かといって単純な返答を返すのも良くない。
駄目だ、何も言えない。手汗がふつふつと出てきて、変な汗をかく。申し訳無さ過ぎて、何をしたら良いのか。
NJ「……、ごめんね、…ちょっと俺、Aさんと居るの、まだ納得行ってなくて、ホントごめん、頭、冷やすね、」
沈黙の時間が流れた時、ナムジュンさんから口を開いてくれる。まさか、自分の考えていたことが当たっていたとは。申し訳無くて申し訳無くて仕方が無い、いっそこのまま消えてしまいたい。
ナムジュンさんは首の後ろを掻きながら足早にトラックの方へと向かっていった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YunA x他1人 | 作成日時：2022年10月5日 23時
