# 嘘 ． ページ18
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HS「……ここ、」
真っ白な空間に幾つものドア。
頭が狂いそうになる程羅列された三桁の数字。
その三桁の数字をめげずに眺め続け、やっと見つけたドアは何よりも目立っていて輝いているように見えた。ホビさんは控え目に小さく呟いて、人差し指を真っ直ぐ伸ばしてドアを指差す。
JN「ヤー、やっとかぁ。A、ホソガお疲れ様。ありがとう。……ジミン、居る？」
やっとか、と大きく溜め息を吐くソクジンさんの顔は疲労を感じて疲れきっているような顔では無く、希望を見出だしたような顔を浮かべて笑いながら私達に向かって優しい声色で礼をしてくれた。
その後に、数回白いドアをノックして居るかどうかを確かめるとギシ、とベッドが軋む音が聞こえてソクジンさんの顔すれすれにドアが小さく開いた。
JM「……何ですか？面会だとしたら、御免なさい。僕あなたを知らないみたいだ。」
小さく開いたドアの隙間から見える顔は、げっそりとはしていなくても元気があるようには見えず健康的かも怪しい程白い肌をした美しい青年の顔だった。壁やドアと同じように白い患者衣に汚れは無く生活感はまるで無い。言い方は悪いがジミンさんをこの部屋に幽閉しているような、そんな事が脳裏に浮かぶ。
ジミンさんは張り付けたような優しい笑みを浮かべると、ソクジンさんに向かって申し訳無さそうに口を開いた。
JN「御免ね、知らない人で。でも君が良く知ってる人も居るんだよ？ほら、ホソガ。」
隙間から丁度見えない所に立ってまたもや微妙な表情を浮かべるホビさんの腕を優しく掴んで隙間から顔が見える場所まで引くソクジンさん。
ホビさんの顔が見えた途端に張り付けたような笑顔が驚いたような表情に変わってドアが勢い良くバッ、と開いた。
次の瞬間にはジミンさんがホビさんを強く抱き締めているのが目に入る。
JM「ッヒョン！！急に居なくなるから心配したじゃないですか！！僕、ずっとヒョンが心配で心配で、」
HS「…うん、ごめん、……僕はこの通り元気だよ。ジミナも連れていけば良かったね、ホント馬鹿、ごめんね、」
抱き締められたホビさんは、泣きそうな表情でジミンさんを優しく抱き締め返す。
ごめん、ごめん、と何度も謝る姿を見ていれば、自分も次第に泣きそうになってくる。
私のそんな表情を見て吹き出しそうになっているソクジンさんの肩をひっぱたけば反省したように大人しく、ソクジンさんも抱き締めあっている二人を眺めた。
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作者名：YunA x他1人 | 作成日時：2022年10月5日 23時
