# ページ16
.
HS「あ〜、寂しいなぁ、」
不意にホビさんが呟いた言葉を私は何故か聞き逃さなかった。ホビさんの座っているソファーの後ろに行って話を聞こうと立ち上がるとグクが私の服の袖を掴んで「どうしたの？」と見つめてきたのが可愛くて悶えていたが直ぐに「ちょっと」と返して、ホビさん元へ向かい、数歩で着いた。
『…、ホビさん、寂しいってどうかしたんですか、』
HS「…あ、聞かれちゃったか、……僕ちょっと前までは病院に居てね？その時、「ジミン」って子に会ったんだ。馬が合って、凄く話しやすい相手で、……その子置いて出てきちゃったんだよねぇ、…それで罪悪感とか、「一緒に誘えば良かった」とか、そんな事ばっか考えて、」
会ってまだ一時間や二時間だというのに込み入った事情を丁寧に話をしてくれた。頷きながら聞いていると自然に眉が下がってきて酷く心配している顔になっていたのでホビさんが笑いながら「大丈夫だよ」と頭を優しくポンポンしてくれた。だが、その瞳は先程の元気な瞳よりどうにも寂しそうに見えた。
JN「後一人、かな。」
勢い良く立ち上がって腕を組み、後一人だと皆さんを見回しながら小さく呟いた。
ピザの箱からピザが全て無くなった頃、手を二度パンパン、と叩いて大きく声を張り上げて「さ、もう一人をそろそろ連れてこようか！！ホソガ、A、行くよ！！」と言い上着を羽織って行く準備をし出したソクジンさんに戸惑いながらも立ち上がってスカートを正すと、ホビさんがミルク色の暖かいカーディガンを羽織らせてくれた。
行こうとする様子に驚いているのは私だけではなく、ほぼ全員が口をあんぐり開けていたがユンギさんだけは「また突拍子も無い、」と呆れたように溜め息を吐いてピザを小さく齧っていた。
『あ、有難う御座います、』
HS「大丈夫だよ、御免ねジンヒョンが、」
『いや、大丈夫です、』
お互いが「大丈夫です」「大丈夫」と言い合っている様子にテヒョンさんが吹き出して笑ったのでジー、と睨むとごめんごめん、と誠意の欠片も無いが謝られたので睨むのを止めるとソクジンさんはもう基地の外に出ているようだった。
ホビさんと急いで基地から出ると、黒いトラックのエンジンを付けて準備をしているソクジンさんが窓から早く早く、と手を振りグットマークを作って後ろの荷台に乗るように言っているらしくホビさんが乗った後に私の手を引いて貰った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YunA x他1人 | 作成日時：2022年10月5日 23時
