【クロロ】無条件的絶対愛 (ページ8)

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『…ん』

まだ重い瞼をうっすらと開ければ、はっきりしていない意識が違和感を感じる。

だんだん目が冴えてきて辺りを見渡せば、なんとなく私の部屋じゃないことがわかってきた。

『、クロロのへや…？』

そういえば昨日、ああそっか、あれから気を失ってクロロが運んできてくれたのかな。

上半身を起き上がらせると感覚的にまだ回復していないことがわかる。

『…体、重い』

なんとかベッドから抜け出そうとすると足に力が入ることはなく、何とか受け身はとれたが床に寝そべる形になってしまった。

『…はーーー…』

思わずため息をついてしまった、床に寝そべったまま考える。

このままじゃ広場に行けない、でも手元に携帯はないからクロロは呼べないし、

『あ』

私は数少ないオーラで小さい蝶を1匹生み出す、『行っておいで、』と呟けばドアの隙間を器用に通って部屋を出ていった。

蝶誰か気づいてくれるかなあ、クロロだったら気づいてくれそうだけど。

『…というか生み出した生命に命令ってできないのかな、』ふと思いついた。

こんな遠回りな方法じゃなくても動物に限る生命に命令を受けさせるのが手っ取り早いのではないかと。

特質系だから特質系の力を100%引き出せるとして、両隣にあるのが操作系と具現化系だから互いに80%の力を引き出せるとする、それをどうにか活かしたいけど。

『ん～……』

「まさかベッドから落ちたから俺を呼んだんじゃないだろうな」

『わ、クロロ、』

クロロの指先には私の生み出した蝶が止まっていた、『正解』と私が笑うと彼は仕方なさそうに「ほら、」と私の体を支えてもう一度ベッドへ寝かす。

「調子は？」

『良いとは言えないかなあ、』

「お前は元々のオーラ量が多いから回復も遅いだろう」

暫くは安静だ、と頭を小突いた、へこんだ私をクロロは面白そうに笑って、

「そうだ、昨日これを盗ってきた」

クロロは私の首の後ろに手を回すと、まるでシャボン玉のような虹色の輝きを放つ宝石が私の鎖骨辺りで光った。

「やはり似合うな、」

『！…綺麗、でも、こんなの貰っていいの？』

「ああ、何せお前のために盗ってきた、気に入ったか？」

『…うん、ほんとに、すごくうれしい、』

自身の鎖骨から目を離せない、それは見蕩れてしまうほど。
よく見ると念が込められていて、そう簡単に外れないことはなんとなく感じ取れた。

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