【クロロ】無条件的絶対愛 (ページ7)

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ただただクロロを求めて胸に飛び込んだ。

クロロはそれを軽々と受け止める、身体の全体でクロロのオーラを感じた安心のせいか、私はストンと意識を手放した。

恐怖のせいか、安心か、それとも予想外の莫大なオーラ消費のせいか、先程クロロの胸に飛び込んだ彼女はぐっすりと眠っている。

薄らと目の周りが腫れていてそれは彼女の輪郭を描いた。

クロロは気を失った彼女を硝子品を扱うように慎重に抱き寄せ、

「俺が間違っていたな」目を伏せてそう呟いた。

「此処にいても絶対に安全が保証される訳じゃない」

俺達がいる時を除いて、な。

その言葉に彼女を心配そうに見つめていた団員は頷く。

一流の賞金首ハンターも滅多に近寄らない、いや近寄れない幻影旅団のアジト。

そこらのハンター(念能力者)がAと対峙しても十中八九Aが負けることはない、その考えは正しく、そして侮っている。

「…もう今日は遅いな、明日話し合おう」とそれだけ告げ、腕の中で眠る彼女を抱いたまま立ち上がったクロロは彼女の部屋でない方向に足を向けた。

「…団長はなんであんな冷静になれんだ、宝(あいつ)を傷つけられたのによォ」

フィンクスは終始、特に感情の起伏を見せなかったクロロを疑問に思った。

「冷静に見せてるだけで、抑えてるんだよきっと」

「アジトの近くに着いた時、逸早く異変に気づいてナイフを投げたのも団長じゃない」とパクノダ。

黙るフィンクスを置いて、まあ細かい決め事は団長言う通り明日だ、と次々に団員は四散していった。

クロロの部屋はA以外の団員が滅多に入ることはない、部屋にはこれまでの盗品、言わば彼のコレクションがずらりと置かれている。

「…」

触れられるのが惜しいものもあるこの部屋に、自身からAを招き入れるのはクロロにとってA自身がいちばんの宝であるから。

寝ている彼女を起こさぬよう静かにベッドへ下ろす、彼女を下ろしたその横にクロロも寝転がり頬をつく。

彼女を視る彼の瞳は慈愛に満ちていた、もう少しすれば夜は明ける、クロロは彼女を眺めながらその時を待っていた。

「…A」

目が覚めれば渡そう、お前のために盗ってきたものがある。

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