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ヒソカは悩んでいた、私を殺すか生かすか、せめてクロロたちが帰ってくるまで時間稼ぎしたいけど、よそ見をしていれば握る手に力がよりグッと込められた。
「キミはどう?♤まだ生き」
台詞を言い終わる前、ヒソカの首を狙うかのようにベンズナイフが入口方向から飛んできた、それと同時にヒソカは私の首から手を離す。
「思ったより早かったね♡」
ヒソカはニヤッと笑ったけど、私は耐えられなかった、彼等の強烈なオーラとヒソカに向けたとてつもない殺気に。
気づけばみんなは武器を構えてヒソカを取り囲んでいた、それでもヒソカは動じない。
パクとコルトピは心配そうな顔をして私に駆け寄る。
「これはどういうことだヒソカ」
「ん〜…彼女はボクの「遊び」に付き合って」
フェイタンとノブナガは刀をヒソカの首にあてた。
「フェイ、ノブナガ、待て」
クロロがそう言っても2人は刀を収めることはしなかった。
「…団長、何故止める」
「そうよ、コイツたかが「遊び」でA殺そうとしたね」
「あのコも本気でボクのこと殺しにきたんだけど…♢」
「正当防衛でしょ」とマチはヒソカを睨む。
散らばった瓦礫、折れた柱、一面に咲く薔薇と壁中に張り付く茨、崩壊しかけているアジトが2人の戦闘の激しさを物語っている。
アジトを見渡したパクは「A、怪我は…」と私の顔を覗き込む。
『大丈夫、でもちょっとオーラ使いすぎたかなあ…』
コルトピは「とりあえず無事で良かった…」ホッとした顔でそう言った。
パクに支えられながらなんとか立ち上がるとバチっとヒソカと目が合って、思わず顔を歪める、すると
「パク、Aは無事か」
「多少かすり傷はあるけど特には…」
クロロはそれを聞いてから少し経って「ヒソカ」と呼んだ。
「今回は見逃そう」
そう言い放ったが他の団員は納得いかないとでも言いたげにヒソカへの警戒を解かない。
「だが次はない、もし次Aに手出しすることがあれば」
「容赦なくお前を殺す」
旅団が全勢力をかけてね、と誰かが付け足す。
「…肝に銘じておくよ♤」
ヒソカは暢気に手を振りながらアジトを出ていった。
さっきまで平気で、いや緊迫感のせいで出なかっただけかもしれない、涙が溢れて止まらない。
他人の死に触れたことはあるけど、自分の死に触れられたことは初めてだから。
本能的に私はクロロの元へ駆け寄った。
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カンナ(プロフ) - すごくおもしろいです。更新楽しみにしています。 (3月31日 8時) (レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つっきー | 作成日時:2023年12月14日 21時