【クロロ】無条件的絶対愛 (ページ3)

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アジトに着くなりクロロの手を振り払い、わたしがいちばんに向かった先は

『シャル！』

「あ、A、言っとくけど無理だからね俺が怒られるし」

なんで、まだ何も言ってないのになぜか先手を打たれていた。
シャルは「Aはよく顔に出るからね～」と私を軽くあしらったけど、

仕事の作戦を練っているのは毎度のことシャルで、それを任せているのはクロロ、シャルに頼み込めば私も仕事についていけると思ったのに。

『…クロロのばか！』

いつかクロロの部屋に虫をいっぱい生み出してやる、とアジト中に聞こえるように私は叫んだ。

「団長はいいのかよ？」

Aがシャルと話している中、別に彼等の間でこんな話が議論されていた。

「…なんの話だ」

「あいつのことだよ」

それはAをそろそろ前線に出して戦闘を許可してもいいのではないかというもので、

「まあ団長の言う通り、一理はあるよね」

「俺らみたいな強化系は幾らでも替えがきくが、あいつは」

Aの能力は他に替えがきかない。

もし最悪の事態として能力を奪われてしまえば、それにAが修復できないようなダメージを負わされてしまえば寿命が尽きてしまうだろう、と彼等は懸念を抱く。

「んーでもAの能力はA以外の人間が使いこなせるような能力じゃないと思うな」

「それによ、別にあいつだって弱ェ訳じゃねえだろ」

「Aも餓鬼じゃないね、そう簡単には殺れないよ」

飛び違う各々の意見にクロロは頭を悩ませ、また想像以上に自分がAへ抱いている想いの重さに苦悶した。

「お前たちの言うことはわかる、だが…」

『…クロロのばか！』

Aの声がアジト中に響き渡ったシャルに手回しをしていたのがバレたか。

「…明日の12時にここを発つ、準備しておけ」

クロロはため息をつきながらそう彼等に伝え、Aがいま引きこもっているであろう彼女の自室へ向かった。

「…A入るぞ」

ノックをしてはいってきたクロロを私は睨む、クロロは「まあそう怒るな」とわたしを宥めるように頭を撫でた。

クロロは私を刺激しないよう、確り言葉を選んで、私を納得させた、いや封じ込めたという表現が近いかもしれない。

「俺はお前が大事だ、だからわかってほしい」

そう言った時のクロロの瞳は向き合おうとしている瞳で、わたしは逸らすことができなかった。

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