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『クロロ、』


振り返って名を呼んだAは何か言われるとわかっているのかビクビクしている、それすらも愛おしく思えてしまう自分がいた。


「気になって追いかけにきたんだが、」

「その腕はどうした」


傷を負っているのは確かだ、敵襲か、事故か、掴む前に反応できるAが掴んだ1秒後に反応したのも引っかかった。


『…感覚がない、心配しなくても敵襲じゃないから』


感覚がない、これで反応できないのも納得できるが敵襲じゃないなら何だ、事故か、と考えているうちにAは近くの路地裏に入り自ら袖をまくってそれを見せた。


Aの腕には見たことがないような火傷に似た跡が広がっていた、医療知識はさほどないがきっと壊疽している、ただ現代で腕全体が壊疽になった症例はない。


本人も中々苦痛なのか汗をかいている、ここはAの治癒能力で治すしか方法は他にない。


「俺のオーラを全て使え、それで足りるか」

『でもクロロが、』

「気にするな、自分のことだけ考えろ」


オーラ移動変換の能力を盗んでおいて正解だった、さっそくオーラを分け与えるもどことなく不安そうな顔をしているA。


「どうした」

『…私っていつもクロロに助けられちゃうなって思っただけ』


それで拗ねているのか、まあそんな所も愛らしくAらしい部分であるが、


「俺が助けたいから助けている、それじゃ不満か」

『ううん、ありがとう、だいすき』



ほら、とっとと治せと促せば特に周りの目も気にすることなく彼女は能力を発動させた、どれぐらい寿命が減ったのかAはだいたいの感覚でわかるみたいだ。


無償の愛(リーベ)はA自身に能力を使うと寿命がすり減ってしまうが、すり減る寿命は負った傷の深さと比例している、今回のは割と深いのか能力の発動時間(=治療時間)も長い。





『クロロ、おわったよ!』


少し経てば元気な顔でそう声をかけた、さっきとは大違いのきれいな腕がちらりと見える。



「そうか、良かったな」と頭を撫でれば嬉しそうに抱きついてきた、ここまで甘えてくれるなら素直に話してくれるだろうとアジトまでの帰り道に話を聞くことにした。


Aは『まあいずれはバレちゃうしなあ…』と話すのを悩んでいるように見えたが、『クロロにならいいよ!』と散歩してからのことを話し出した。



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カンナ(プロフ) - すごくおもしろいです。更新楽しみにしています。 (3月31日 8時) (レス) id: fc7530e511 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つっきー | 作成日時:2023年12月14日 21時

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