【クロロ】無条件的絶対愛 (ページ2)

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「お姉ちゃん、魔法が使えるんでしょ」

『…？』

「さっきお花をいっぱいだしてたの見たよ」

「これで最期にするから、さっきみたいにお花を出して」

「一度でいいからお花畑の中で眠ってみたいの」

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わたしは彼女が寝そべった周りに花を生み出した。

闇の中に一筋の光が差したよう、正直生み出せるのか不安だったけどこんな劣悪な環境にでも少しは咲く花もあるみたい。

魔法のように花が咲くものだから彼女の瞳には光の粒子が宿っている。

「ほんとにきれい、天国にいるみたい」

彼女はそうひとこと言って目を閉じ、眠るように静かに息を引き取った。

『次に貴方が生まれてくる世界には、』

幸せが溢れていますように、そう願い手を合わせて立ち上がったその時。

「どこに行ったかと思えば「また」か」

見慣れたオールバック、両耳に大きいイヤリング、十字架が描かれた黒いコート。

『クロロ、』

「幻覚作用のある毒性の花か、お前らしい」

クロロは「こんな繊細なものも生み出せるのか…」と花を見つめ感心した。

クロロのいう「また」というのは流星街の死期が近い子供たちを楽に逝かせてあげること、わたしの能力は使い勝手が良いから。

よくフェイタンたちに「能力の無駄遣い」「お人好しだ」なんて言われちゃうけど。

『…』

「団員(あいつら)が待ってる、帰るぞ」

とクロロは大きな手を私に差し伸べた、応えるようにぎゅっと手を握ったその手は冷たくなかった。

アジトまでの帰り道、クロロは明日の仕事の話を切り出した、生憎私はお留守番らしい。

私もクロロの、みんなのお手伝いをしたいと懇願したけどどうも聞き入れてくれない。

「わかってくれ、Aの能力は貴重でかつ希少性がある」

クロロ曰く「狙われるだろ」「危なすぎる」とか、そんなこと言われなくても自分の身は自分で守れるのに、だいたいクロロは過保護すぎるのだ。

今だって帰るだけなのに自分たちの範囲に「円」を広げている。

きっと握っている手はわたしが練をしてもそれは解けない。

『…』

握る手に力を込め殺気を交じらせクロロを睨んだが、

「どうした？」

なんて何にもないみたいな顔して、割と力入れたんだけどなあ。

アジトに着いたらパクたちにクロロの愚痴をいっぱい聞いてもらうことにした。

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