『 元 担。』

元 6 ページ6

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どうしよう、どうしよう





元自担と連絡先を交換してから早3日


仕事の昼休憩に、スマホの電源を入れると2件の不在着信が



その2つとも、どちらも永瀬からのもので



急いでトイレに移動してかけ直すと、彼は何コールかめで電話を取った









_「あ、もしもし。えっと、相田さん？」








「は、はい」









トイレには私しかいないのに、何故か小声になってしまう









_「今、大丈夫でした？」









「あ、お昼休憩なので…全然、大丈夫です」









_「そっか。あ、でな？急なんですけど、今日ご飯行きませんか？」









今日？


…え、今日？









_「無理やったら全然大丈夫なんですけど…」









「…や、大丈夫、です…行きます」









_「ほんまですか？えっと、じゃあこの前の焼肉屋の前に…8時頃って…」









「だ、大丈夫です、8時、分かりました」









すると、電話越しに彼の向こうから彼を呼ぶ声が聞こえてきた









_「あ！え、じゃあ、8時に！」









少し焦ったように切れた電話


…永瀬の方が、今ダメだったんじゃないの？



終始、たじたじだった自分の会話を思い出して少しへこんだ後、はっとする



今日、って


え、どうしよう



そして、冒頭に至る






てかまた焼肉？


スパン短すぎない？



流石に私の胃もそこまで元気じゃないよ



なんて思いながらも、頭の中を埋めるのは永瀬に会えるということだけ



確かに嬉しいという感情はあるけど、それと同時に思う



…会って、いいのかな


もう、約束はしちゃったからどうにも出来ないんだけど




それに、「元」だけど

好きだったことには変わりないし



…これって永瀬を騙すことになるのかな？


いや、既に騙してる？








「…はぁ…」









通話終了の文字が表示されているスマホを眺め


トイレに私のため息が響いた









「何してんの」








「うわっ！」








いきなり隣から聞こえてきた声に驚いてスマホを落としかけた








「…美波〜…」









も、びっくりした…


バクバクとうるさい心臓








「何、残念そうな顔しないでよ。早くお昼食べようよ」








少し嫌そうな顔をしながら、私の財布をはいっと渡してくる彼女









「あ、うん…ごめん、ありがと」









とにかく、うん



今は考えないようにしよう…








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