『 元 担。』

元 49 ページ49

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「なんなん。


嘘ついてたとか、マジでありえへん


訳分からん。」








「…ごめん」








「言ったやん…俺


ジャニーズとか、芸能人とか、そんなんで自分の気持ちに嘘つきたくないって


それ聞いてホテルでなんも思わんかったん？


それでも嘘つこうと思ったん？」









キツい口調とは矛盾して、私を抱きしめる力はどんどん強くなる









「あと、勝手に決めつけんといてや…


紫耀とか、ファンがどうとかって


知ってた？Aが思ってる以上に、皆優しいねんで


紫耀とのことがあった時、Twitterでエゴサかけてみてわかってん」








エゴサって…


エゴサーチ、ってやつ…？









「そりゃあ、嫌なことも書いてたけど


それ以上に、紫耀が他の子に叩かれるんちゃうかとか


俺らのライブの雰囲気悪くなれへんかなとか…


Aのことを心配してる声もあってんで？」









…そう、なの？



勇太に見るなって言われてたから見てなかったし


正直、家に来られてから怖いとしか思えなかったファンの子達



…でも、実際は優しくていい子…多いみたい









「それにな」









私の肩を持って、ゆっくりと体を離す廉









「俺、Aが思ってる以上に


Aのこと好きやで」









我慢してた涙が、耐えきれずにポロリと零れ落ちた









「付き合ったのがバレて人気落ちたとか


そんなん元から俺らがそんなもんやったってことやん


Aが気にすることやない」








優しく親指で私の涙を拭ってくれる








「もうさ、



好きなら好き


…それで良くない？」








微笑んだ廉





…なんで、こんなに…



優しさとか、そんなんじゃ言い表せない




…温かい


廉も、廉の周りの人たちも、みんな心が温かいんだ









「…好き、好きだよ、廉」








「…あ、ごめん。俺もAに嘘ついたわ」








…何？



ここまできて、本当は全部嘘でした…とか？



それなら私、もう本当に立ち直れないかも





不安な気持ちを抱えながら、廉を見つめる









「俺、ずっと疑問に思ってたことがあってんけど。


今分かったわ


Aのこと、好きじゃないねん」









「…え？」









．









「愛してるんや」









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『 元 担 。』__end



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