『 元 担。』

元 30 ページ30

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Aと出会った頃の事を思い出していると、あっという間に自分の家に着いた



オカン、また鍵開けたまんまやん


不用心やなあ




そう思いながらも、既に真っ暗な家の中に入った



自分の部屋に行って、ベッドに寝転ぶ





…Aは、どうゆうつもりなんやろ





俺は、もう分かってる



Aは元々、俺らのことを知ってたんやと







それに気付き始めたのは、あいつが俺らの楽屋まで紫耀のコンタクトを届けに来た時



…楽屋に来いって言われて、そんな簡単に来る？


そもそも、楽屋という単語を聞いて彼女は何も思わなかったのか



紫耀が楽屋に呼んだってことは、自分達のことを話したんかな？そう思った



…そう思うことにした





それに、とりあえず俺はAが紫耀のコンタクトを持ってるんかが気になって仕方がなかった




届けられたコンタクトを持って外に出ていった紫耀と、ジュースを買いに行った海人



あいつと2人になって、聞いこうとしたけど、タイミングが悪くて結局聞かれへんくて



その後の、紫耀がAに俺らのライブに誘ったことにまた驚いた


でも、嫌やとは思わんかったし、まあええかって感じで俺もAに来いよって言った

ら、


ほんまに来ることになってもーて




何故か、Aに見られるって思ったらめっちゃ緊張して、音外したり、振り付け間違えたり


今までの中で1番ってぐらいにミスって、ライブ終わりに紫耀に心配された



途中、3人で指さした時に、分かりやすいぐらいに焦ってたA



可愛いかったなあ




楽屋に戻って


かっこよかったよ


そう言われて自分でも気持ち悪いぐらいに喜んだっけ





海人が、紫耀の彼女ってAに言った時


2人は笑って否定してたけど、そんな2人を見て苦しくなった



いつの間にそんな仲良くなったん？



俺の知らんとこで2人がどんどん仲良くなっていってる気がして嫌でたまらなかった




それは、いわゆる嫉妬ってやつで


今まで自分の気持ちに気づかん振りしてたけど




好きや


出会ってからそんなに時間は経ってないけど、俺はAのことが好きなんや


やっぱり、気持ちを我慢することなんかできひんくて





好き



…やけど



Aは俺らのことを分かってて近づいたんやとしたら


そう考えると自分の気持ちが良いものなのか悪いものなのか、よく分からんくて



帰ると言って楽屋を出ていった彼女を追って









賭けてみた。









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