◎ 先 輩 。- Ren.N -

卵焼き ページ8

．









「お疲れ様です！」









お昼休憩、部員の皆にタオルと冷やしておいたスポーツドリンクを渡して回る。









「おお〜、ありがとう！」











あれ？永瀬先輩がいない









永瀬先輩に渡して最後、って思ってたけど永瀬先輩の姿が見えない。









「平野先輩、永瀬先輩って…」









あっちやで〜とスポーツドリンクを一気飲みながら校舎の近くの水道を指さした。









先輩の方に走って行くと、水道水で顔を洗ってる永瀬先輩。









…かっこいいー…









じゃなくて！









「あ、あの、先輩、どうぞ！」









『ん？あ、ありがとう』









タオルとスポーツドリンクを差し出すと、顔を上げてありがとうと微笑んだ先輩。









練習の時はすごくかっこいいのに、笑うとすごく可愛いんだよね









.









お弁当を取りに荷物の所に戻ると、お昼ご飯はすでに皆各自で集まって食べ始めてて









どこで食べようかな…









「山下さん！俺らと食べよーよ」









「神宮寺くん！いいの？ありがとう！」









場所を探してたら神宮寺くんに声をかけられて、お昼一緒に食べようって。









神宮寺くんについていくと、中庭のベンチで数人の部員が集まって食べていた。









その中には平野先輩と永瀬先輩も。









「あ！Aちゃん！」









こっちに気付いた平野先輩がブンブンと手を振る。









言うほど距離ないのに 笑









「ごめんね、誘うのすっかり忘れてた」









ちょっと、平野先輩！ 笑









『…あ、隣くる？』









座ろうにも結構ベンチはつめつめで、どこに座ろうか悩んでいたら先輩が端によってくれた。









…まじですか？永瀬先輩のお隣ですか？









「お、じゃま、します」









浅く腰掛けたベンチ。緊張する…









チラッと見えた永瀬先輩のお弁当は色とりどり。









朝テキトーに詰めてきたお弁当隣で開くの恥ずかしい(









『うわ、うまそ』









「え！？いやいや！先輩の方が！」









静かに食べ始めると、いつの間にか先輩が私のお弁当を覗き込んでて









「…あぁ！」









気付けば卵焼きにお箸が刺さってて、ヒョイっと先輩の口に。









『…うま！やばいやん！ばりうまい！』









先輩が…！美味しいって…！









私、卵焼き得意で良かった 笑









.

残り→←やるしか

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す