一緒に ページ22
.
「もー、さっさと帰る準備しなさいよ」
「だってぇぇ」
帰りの挨拶をした後も、グダグダと用意をためらっている私。
「先輩待たせてるんでしょ？」
凛ちゃんがそう言ったと同時、廊下から次々と聞こえてくる悲鳴。
何事か、とぱっと目を向けると、
『あ、おったおった』
「しぇ、さ、せ、」
昨日の雨のせいか、湿気でいつもより少し髪の毛がおとなしい永瀬先輩がクラスの子を避けてこちらに歩いてくる。
「せ、先輩、」
周りからは、驚いたような声、ヒソヒソと話す喋り声が飛び交っている。
それを、聞こえてないのか、気にしてないのか、そんなクラスの様子を構うことなく私の目の前に立った先輩。
『遅いから帰ったんかと思って来てもーたわ。良かった 笑 用意できた？』
「え、は、い」
『ん、じゃあ行こか』
スタスタと歩き出す先輩に、急いで後を追う。
先輩と、先輩の2歩ほど後ろを歩く私を見る、周りから痛い程の視線。
そのほとんどが、女の先輩だっていうのは見なくても分かる。
そんな先輩方からの視線の中、やっとの思いで校門を出ると立ち止まった先輩。
『てか山下さん、なんでそない後ろ歩くん？笑』
振り向いてそんなことを言う先輩。
い、え、逆に、いいんですか…？
『どーしたん？』
不思議そうな顔をする先輩。
せっかくのチャンス…こ、ここは勇気を出して…
そう、先輩の隣に並ぼうとしたそのとき
「廉！と、Aちゃん！」
後ろから聞こえた聞きなれた声。
『紫耀』
「一緒に帰ろや！」
突然の平野先輩の登場。
走ってきたから、息が上がってる様子。
『は？…俺じゃなくて山下さんに聞いて』
「ええかな？」
「え！？あ、私は全然…」
そう言うと、ありがとう！と笑顔で言って永瀬先輩と、先輩の隣に並びかけてた私の間に入った平野先輩。
…ちょっとショック…(
まあ、気にするなA！
まだまだ先は長いんだから！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1692人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mi@ - これからもがんばってください。更新楽しみにしています。 (2018年5月6日 21時) (
レス) id: c77dac933d (このIDを非表示/違反報告)
日 和 。(プロフ) - 大好きです！！！待ってます！！！！ (2017年1月9日 21時) (レス) id: 8a873dbe15 (このIDを非表示/違反報告)
ありたん - 更新楽しみに待ってます！頑張ってくださいー (2017年1月9日 1時) (レス) id: 479e9e0924 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん - これからもがんばってください。更新楽しみにしています。 (2016年12月4日 14時) (レス) id: c77dac933d (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 青春感がすごくてめっちゃいいです！！更新楽しみにしてるんで頑張ってください！！！ (2016年12月2日 2時) (レス) id: b9d465bfb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ようかん(羊羹)
| 作成日時：2016年5月7日 2時
