MP0の異世界無双【WT】 (ページ4)

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白昼の開放ページ4

「なにしてやがる、不法侵入者がよ。」

「そいつは僕の貴重な検体なんだぞ！！！」

科学者らしき男は額の血管を怒張させて興奮し、隣の男は冷ややかな視線で3人を見ていた。

シャークん「お前らが来た瞬間威嚇したってことは悪い奴で確定みたいだな。
　コイツはどうやら俺らに味方してるらしいぜ？」

「ふん、小僧如きが出しゃばるな！」

『ガウッ』

シャークんを斬りつけようとした男は魔獣によって壁に投げつけられた。

魔獣は3人に味方しているらしかった。

壁に打ち付けられた男は相当な衝撃だったらしく、ぐったりとして起きる様子はない。

なかむ「威勢の割には口ほどにも無かったな。」

科学者らしき男はなかむとぶるーくの反撃で敢え無く撃沈している。

あとで駆けつけたスマイルたちは男達を拘束し、見るも美しい獣に釘付けになっていた。

スマイル「こりゃ見事な魔獣だな。」

きりやん「こんな魔獣、見たことないよ…新種の狼型魔獣なのかな、羽あるけど。」

きんとき「どうするのこの子、連れて帰って手当でもする？」

魔獣は6人相手に攻撃する意志はないとばかりに伏せてみせた。

なんなら自分を開放したシャークんに、少しばかり心を開いたようにも見える。
隣に遠慮がちにいるからである。

なかむ「んー確かに新種の魔獣なら放置しとくわけにもいかないし、取り敢えずはこの男達含めて国に報告かな。」

ぶるーく「わーいウチに来れるってよー」

シャークん「こんだけ撫でられても大人しいもんだな。」

『……グゥ…』

なかむ「若干不服そうだけどな。」

シャークんのあとに続きゆっくり階段を登る魔獣。

外の光に当てられた途端、苦しそうにキャインッと鳴いた。

ずっと暗闇の中にいたのだ。

太陽の光で目が眩んでも仕方がないだろう。

シャークん「大丈夫か？」

『…ンン……』

なかむ「お前そんな声も出るのか。」

先程よりも間の抜けた声に思わず反応してしまった。

魔獣は青く晴れた空を見上げ、どこか物憂げだ。

シャークん「おっと！？おい大丈夫かよ。」

魔獣の体力は限界らしく、歩きながらよろめく回数が増えてきた。

移動用の馬車まできんときの浮遊魔法で運ぶことになる。
物珍しそうにぷかぷか宙に浮きながら尻尾を揺らす。

ぶるーく「なんだかはしゃいでるみたいで可愛いねぇ。ちっちゃい子供見てるみたい。」

きんとき「なんかこっちまで嬉しくなるな。」

魔獣の反応を楽しみつつ、6人と一頭は帰路についたのだった。