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立っていられないぐらい恥ずかしい……という表現が適切か、何とも形容しがたい。
「その、『いつも』、私を見ていたのですか……?」
「はい。あそこのコンビニと例の神社は、よく利用するんですよ」
先ほどまでとは打って変わって、三ツ谷君は幼児をあやすような優しい口調になっている。
「疲れても弱音を吐いてないようですし、危ない場所でも、1人で気合いを入れて行こうとしているのも……」
「え、それも見られてた……?」
私流の気合い。
両頬を引っ張ったり、その場で足踏みしたり、『ひっひっふー』と似つかわしくない声を出してみたり。
それ以上は……!と頭を抱える私に、三ツ谷君は、ふふ、と笑った。意外といい性格しているようだ。
「顔、真っ赤ですね」
「……そろそろ中に戻りたいのですが」
穴の中に入るような勢いで校門へ足を踏み出した途端、三ツ谷君に阻止された。
「すみません、あと少し待ってください」
俺、調子に乗りすぎですね、と叱られたように眉毛が下向きになった。
だけど、その表情が見れたのは一瞬で。
ふわ、と鼻腔をくすぐる甘い匂い。トン、と両肩に三ツ谷君の手が置かれ、身体が密着しているからだ。
「Aさんが無理してまた倒れないように、俺がいますから」
柔軟剤か、シャンプーか、何を使っているのだろう。キツすぎも、臭くもない……いや、問題は別のところにある。
「〜〜っ」
「前の青白い顔より、今の顔が好きで……おっと」
結果的に、私は我慢できずに力が抜けてしまい、三ツ谷君に抱えられたのはいうまでもない。
また、後ろに控えていた友達も何か叫んでいた。
【完】
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イヤシ・モトム(プロフ) - テトさん» 再度、ありがとうございます。ですよね、私も同感ですよ。きっと毎日、あははウフフな世界になるんでしょうなー。三ツ谷隆という名の、あったかハ◯ムが待っている…! (2021年5月30日 22時) (レス) id: 496586e805 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - イヤシ・モトムさん» もう間違いないですよ最高の判断です私めが断言致します。とりま金全部払うから家におって欲しい家のこと全部任したい添い寝してほしいですよねみんなそんなはずs((((殴 (2021年5月27日 16時) (レス) id: 7bb6222e5a (このIDを非表示/違反報告)
イヤシ・モトム(プロフ) - テトさん» ありがとうございます。相手は三ツ谷氏で間違いなかったですかね?もう最高の主夫ですよね、その気持ち分かります…! (2021年5月22日 21時) (レス) id: 496586e805 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - むっちゃ好きっす結婚してください(??) (2021年5月19日 23時) (レス) id: 7bb6222e5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒ごまおはぎ | 作成日時:2021年5月16日 22時