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聞き慣れない言葉の数々に、私は聞き直そうとした。
「え、今何と―――」
「遅い」
しかし、それを遮るかような声。主は三ツ谷君でも、後ろの友達でもない。
「部活、始まってんだけど」
「キャプテン……」
『キャプテン』という響きはかっこいいが、私にとっては呼ぶのも辛い。
長(おさ)という頼れる存在のはずが、全く違うものに感じてしまう。
校門には、仁王立ちする長身の男。身長差があるので、私が見上げる状態になる。
「ほら、皆待ってるから、早くしろよ」
笑うキャプテン。その表情が、いつもなら優しくなったと思い、前向きになれたが、今日は何だか怖かった。
「はい、すみませんでした。三ツ谷君、あの……」
自分でうまく笑えているだろうか。
ありがとう、もう大丈夫、と彼を振り返った。
ザッと土を踏みしめる音がする。
しかし……三ツ谷君は、笑うどころか険しい顔をしていた。
「アンタ、本当に部長なんですか?」
そして挑みかかるかのように、私を背にして前へと進み出た。
「Aさんはマネージャーで、しかも女1人で買い出しに行ってたんですよ。少しも心配しないんですか?」
「え、誰……?」
キャプテンと三ツ谷君は初対面だったな、と思いつつも、私も、え、と声を漏らしていた。
「通りすがりの、中学生の手芸部部長です」
背はキャプテンより低いはずなのに、三ツ谷君の方がやけに大きく見える。
「マネージャーも大事にできねーのに、キャプテン名乗ってんじゃねーよ!」
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イヤシ・モトム(プロフ) - テトさん» 再度、ありがとうございます。ですよね、私も同感ですよ。きっと毎日、あははウフフな世界になるんでしょうなー。三ツ谷隆という名の、あったかハ◯ムが待っている…! (2021年5月30日 22時) (レス) id: 496586e805 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - イヤシ・モトムさん» もう間違いないですよ最高の判断です私めが断言致します。とりま金全部払うから家におって欲しい家のこと全部任したい添い寝してほしいですよねみんなそんなはずs((((殴 (2021年5月27日 16時) (レス) id: 7bb6222e5a (このIDを非表示/違反報告)
イヤシ・モトム(プロフ) - テトさん» ありがとうございます。相手は三ツ谷氏で間違いなかったですかね?もう最高の主夫ですよね、その気持ち分かります…! (2021年5月22日 21時) (レス) id: 496586e805 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - むっちゃ好きっす結婚してください(??) (2021年5月19日 23時) (レス) id: 7bb6222e5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒ごまおはぎ | 作成日時:2021年5月16日 22時