8人の始末屋と。（KJ8）

□ ページ29

MAC


｢…あかん、大負けやん｣
狭い部屋に成人した大人の男が四人もぎゅうぎゅうになりながら座っている。

酒を片手に笑うやつも居るけど、
俺はトランプをぶちまけてうなだれた。

｢ひっさびさやなぁ、マック負けんの｣
短気なくせにこの手のゲームに強いジャッキー

｢まっ、たまには！たまには、ええやないですかぁ〜ねぇ？｣

なーんて、エースの持ってきたスナック菓子をちゃっかりいただきながら話すガムは、ゲームもちゃっかりしてる…案外、ジャッキーに続いての2位という好成績を出していた。


｢まー、負けはマックやもんなぁー｣

ニヤニヤとスナック菓子を口に放り込むエース。最近は負け続きやったから俺が負けたのがホンマに嬉しいというのは表情でバレバレ。
ま、隠すつもりもないと思うけど。


はぁー、と大きなため息をつきながらドアを開けると、

エースに資料処理の仕事を押し付けられたアーセナルが(いつもどおり)こちらを睨んできて

トッポは買ったばかりのゲームを無言でプレイしていて、

ジョニーとうちの女王様は窓の前で二人揃って寝ていた。


｢…こんなとこでこんな体制で寝るなんて珍しいなぁ？｣

と言いながらガムはスナック菓子をエースに目で催促するもエースにひと睨みされただけやった。

｢全く、ここで寝たら風邪引くし一個はデッカイやつやし…｣
ジャッキーはまるで親のようやな、なんて思うけど、そんなことを言うたらまた説教が始まるからやめとこ。


｢二人揃って寝るなんて、やっぱ仲ええな｣
なぁ？と無言のアーセナルに同意を持ちかけると、アーセナルは煙草をふかしながら、


｢夜の雨やから、なぁ。｣
と、良く分からない台詞を口にして、
ふっと笑った。

□→←夜の雨

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す