縁無

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「「お疲れ様でした！！」」

全員でコーチや顧問に一礼して、今日の部活も無事に終了した。散々走った後のTシャツはもう汗だくだ。

颯太「はぁ〜疲れたぁ」
「今日颯太めっちゃパスカットできてたやん」

隣を歩きながらそう言ってくるのは、元木湧。
1つ先輩だけど、幼馴染ってこともあって、普段からタメ口で話してる。そもそも、うちの部活の先輩はほぼ俺が小さい頃から仲良くしてくれている人達で、敬語で話す人の方が少ないほど。

湧「てかさ、颯太もあれだね」
颯太「ん？」

部室に着いて、Tシャツを脱ぎながら湧が話しかけてきた。

湧「なんて言うの？ その〜、さ、」
颯太「なんだよ(笑) 早く言えよ」
湧「あれだよね、普通〜〜な子連れてきたよね」
颯太「普通？」
湧「マネの子だよ」

普通ってどういうことだろう。逆に何が特別になるんだ？

湧「あれじゃね、こーゆー時ってさ、新しいマネージャー！ うわ！ めっちゃ可愛い！ 恋が始まる！ …みたいな感じなんじゃねえの？ Aちゃん？ いかにもThe･平凡！みたいな感じじゃん、どっちの意味でも」

なんだコイツ。多分漫画の読みすぎ。

颯太「……よくわかんないけど」
湧「…ま、だよな。颯太に共感求めた俺が悪かった」
颯太「Aちゃん可愛いと思うけどな」
湧「……え、？」

ぽかんとした顔を俺に向ける湧。…そんな驚く？
Aちゃん、普通に可愛いと思ったんだけど。
…てか何で俺、こんなAちゃんにマネ強要したんだろ。別に他にも候補はたくさん居たのにな。

颯太「…まあ良いや」
湧「……なに、颯太疲れてる？」
颯太「疲れたぁ、湧アイス奢って〜」

またかよ！ なんて俺の頭をはたく湧。
今日のアイスは何味にしようかな。

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