検索窓
今日:20 hit、昨日:7 hit、合計:92,643 hit

60 ページ10

その日1日、内村くんのことは全く見れなかった。勝手に変な罪悪感を抱いてしまって。あっという間に放課後になり、体育館へ。今までは内村くん達と一緒に向かっていたけど、最初の頃みたいに、1人で体育館へ向かった。

__ガラガラガラ

体育館の扉を開けると、そこに居たのは元木さんと安嶋くんの2人だけ。…なんか集まりが悪い。

湧「あれ、A来たの?」
『え?』
秀生「今日部活無くなったんだよ」
『えぇ』
秀生「うっちーから聞いてなかった?」
『……あ、』

朝に言いかけてた言葉はそれだったのか。一日中内村くんに近づかないようにしていたから聞く暇も無かった。

『すいません、私が聞き逃してました』
湧「あーね? 俺ら自主練だから、A帰っても大丈夫だよ」
『あ、わかりました』
「あ、いた!」

その時、体育館の扉の方から声がして、振り向くとそこに居たのは翔馬さんだった。

秀生「え!ひらつが自主練来た珍しい(笑)」
湧「雪でも降んのかな」
翔馬「失礼だな〜、まあ練習はしないんだけど(笑)」
湧「はあ?(笑)」
翔馬「A探してたの!教室行っても居ないからびっくりしちゃった」
『え、私ですか?』
翔馬「うん、A」

その時、奥に2つ並んだ大きなシルエット。内村くんと深田くんだった。

竜生「あれ!みんなも自主練っすか!」
秀生「や、なんかひらつは違うっぽい(笑)」
竜生「何しに来たんすかぁ〜(笑)」
翔馬「ただ単にA探してただけだよ(笑)」

なにか私に特別な用事でもあるのだろうか。探し回るほど特別なことってなんかある?よっぽどのことじゃないと、

翔馬「帰ろ!」
『……え、?』
翔馬「え?」
『…え?』
翔馬「…………ん、!?(笑)」

……帰ろ? …ただ、それだけ、?

湧「え、なにそれだけ?(笑)」
翔馬「それだけ」
秀生「いつの間にそんな仲良くなってたの(笑)」
翔馬「てか付き合ってんだよね、俺たち」
竜生「……え、」
翔馬「じゃ、そういうわけだから! ばいばい!行こA〜」

翔馬さんはそう言うと、私の手を取って体育館の扉の方へ。私はびっくりしながらも、その背中の後ろを歩いて着いて行った。

(61)→←59



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (239 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
982人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふうか - すごく見入っちゃいました!!更新楽しみにしています!! (2021年10月11日 21時) (レス) @page28 id: c4a626600f (このIDを非表示/違反報告)
すずの - いつもキュンキュンして読ませて貰ってます!!次の更新が楽しみです (2021年4月10日 23時) (レス) id: 9ade0148b3 (このIDを非表示/違反報告)
なえ - 更新楽しみにしてます!とても面白いです! (2020年11月26日 6時) (レス) id: abff8bc056 (このIDを非表示/違反報告)
あ じ ま の 隣 。(プロフ) - いつも読ませて貰ってます!しょまにきゅんきゅんしすぎてやばいです( ; ; ) これからも更新楽しみにしてます…! (2020年11月15日 14時) (レス) id: 9cbfbaddaa (このIDを非表示/違反報告)
Happy(プロフ) - 三角関係最高です主様!!これからが楽しみです! (2020年11月14日 21時) (レス) id: 24d5ea4ebf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙蓏 | 作成日時:2020年11月12日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。