縁無 2

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翔馬さんの口から出た言葉は、今の私にとって、あまりにも衝撃的だった。

『……え、？』
翔馬「…うん、付き合ってみない？って」
『…だっ、て、今私たち、…昨日フラれたばっかなんですよ、？』
翔馬「うん。もう、忘れたいなって」

うん、って……。そんなに軽く次の恋へ行けるもの？
いや、無理だ。そんなの、

『…やっぱり、…良くないと思います』
翔馬「…ん、そうだね」
『…じゃなんで』
翔馬「…ほっとけなくて」
『…………』
翔馬「俺もあんま良くないってわかってるけど」

翔馬「Aとなら忘れられる気がする…」

そう言って下を向く翔馬さん。…やっぱり、告白した時の佳音さんの顔が、まだ頭の中に残っているのかな。…私だって、

“……ごめんね”

残ってる。

お互い、残ってる。

『…私だって、もう忘れたいです』
翔馬「…ん、」
『…忘れたいから』
翔馬「…うん」
『……私で、良いなら』

自然と、言葉が口から溢れ出ていた。翔馬さんが隣にいる時は、内村くんとは違う安心感がある。私が落ち込んでいる時、いつも隣に来てくれたのは翔馬さんだった。……だとしたら、

忘れられるのかなって。

翔馬「…よろしく」
『…はい』
翔馬「…ゆっくり忘れてこう」
『…はい』

私の恋は、あっという間に終了し、


不思議な初めての彼氏ができた。

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