縁無 2

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体育館裏の原っぱは風が良く吹いて気持ちいい。合宿中にたまたま見つけた場所だ。他のチームの人もここへは来ないらしく、広い場所に私1人。綺麗そうな所を吟味して、芝生へ腰掛けた。

なぜあんなことを口走ってしまったのか。自分で考えてもなかなか答えが出ない。内村くんに拒絶されてないだけ嬉しいことだとは思うのに。

どこか興奮していたのだろう。いつもの冷静さは失われていた気がする。

「…！ いたぁ！！」
『…？ なんだ、翔馬さんか』
翔馬「なんだってなんだなんだって」
『早口言葉ですか？』
翔馬「こんな時でもツッコミすんのやめろ」

そう笑いながら、私の隣に腰掛ける。…なんで私の元へ来たのだろうか。もう水遊び、終わったのかな。

翔馬「どした今度は」
『…どしたって？』
翔馬「元気ないでしょどう見ても(笑) またなんかあったやろ？」

この人は、フワフワして見えて意外と鋭い。私が落ち込んでいる時ほど、隣に来て話を強要してくる。それが少し有難かったりもする。…今日も、喋って良いのかな。

翔馬「どんと来なさい」
『……、…昨日の夜、…フラれまして』
翔馬「…え？ …おっ、と…？ 想像以上だったな…」
『…でもまあ、告白する前に佳音さんから内村くんのこと色々聞きました。なんでショックはそこまであったわけでも無かったんですけど』
翔馬「…そう、」

なんて言葉は建前。人並にショックを受けたりもする。けれど今まで翔馬さんは私の恋を1番近くで応援してくれていた人だ。そんな人に、失恋話をずっとするのも、なかなか気が引けるものだった。

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