縁無 2

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湧「平塚もっと食えよ！ そんなんだからいっつもぶっ倒れんだよ！！」
平塚「いや、無理吐く」
深田「俺玉ねぎ欲しいっす玉ねぎ」

空は青紫に染まり始め、周りは炭やお肉の焼けた香りでいっぱいだ。長かった強化合宿も幕を閉じ、メインイベントのバーベキューの時間に。

今だけは試合のことは忘れる時間だ。みんな他のチームの人と話したり、食材を焼いたり食べたり。みんなそれぞれに、バーベキューを楽しんでいた。

「すいません、それ取ってもらっても良いですか？」

その時、横から誰かに私の横にあるジュースのペットボトルを指さされた。

『あ、はい！』

半分ぐらい入っている鮮やかなオレンジ色のそれを、私は掴んでその人に渡した。

『はい、』
「有難うございます。湧達のチームのマネさんですよね？」
『え？ …はい』
皇輝「やっぱり。俺川��皇輝って言います。小学校湧達と一緒のチームだったんですよね」
『あ、そうなんですか！』
皇輝「はい(笑) なんかみんな上手くなっててびっくりだな〜、俺の方が早くバスケ始めてたはずなのに」


あの背高いイケメンの子も上手いしね。と遠くで騒いでる元木さん達の方を見ながら楽しそうに微笑む。この人もなかなかに綺麗なお顔立ちをしている。あの人たちの周りは一体どうなっているのだろう。

皇輝「湧達うるさくて大変でしょ？(笑)」
『いや、まあ…、…賑やかですね』
皇輝「あはは！(笑) うまいうまい」

元木さんや深田くんはまだ手に箸を持っているけど、この人はコップを持っているだけ。翔馬さんと一緒で少食なのかもしれない。まあ確かに予想は着く。細いし。

皇輝「色々大変かもだけど頑張ろうねお互い」
『あ、はい』
皇輝「あと、タメで良いから。多分同い年」
『え？3年生じゃない？んですか？』
皇輝「一応1年です(笑)」

まじか。と思わず口に出してしまう。大人っぽいからつい年上だと思ってしまった。すると皇輝さんは、じゃ、と微笑んで、自分たちのチームへ戻ってしまった。

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