縁無 2

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翔馬さんから聞いた話は、あまりにも苦しいもので、私なんかが立ち入っちゃダメなような話で。

翔馬「まあ、俺も湧から聞いた話だし、本人からも少ししか言われて無いから正確じゃ無いかもだけど」
『…いや、……、はい、』
翔馬「…言葉失うよね、ごめん。……反応困るかと思って、あんま言いたく無かったんだ」

Aに話して得はある？と聞いてきたのは、きっとこれが理由だろう。やっぱり翔馬さんは優しい。

翔馬「A」
『……、？』
翔馬「うっちーはそんな弱い奴じゃ無いから。大丈夫だよ」

私の目を見て、芯をついてくるようなそんな口調でそう言った翔馬さんの目は、真剣だった。きっと翔馬さんも、確定では無いと言っておきながら、しっかりと事情は把握しているんだろう。長い付き合いでは無い私には、詳しく話さないだけ。

翔馬さんは、ほんとに意外と誰にでも思いやりがある。しっかりと考えて、周りを見れていて。尊敬、するな。

『翔馬さん』
翔馬「…？ はい」
『私翔馬さんのことまじで素敵だと思います』
翔馬「…え、どしたの急に(笑)」
『いや、…ただ、言いたくなりました』
翔馬「は〜？(笑) 急すぎやん照れる〜」

そう言いながら綺麗な手で顔を覆う翔馬さんの耳は、少し赤くなっていた。

翔馬「もうどんどん好きにさせないでよね〜、俺ばっか好きになってくじゃん(笑)」
『いやいやいや…(笑) ……、え？』
翔馬「…次はAに俺のこと好きって言わせてやろ」

イタズラな笑顔でそう言った翔馬さんは、飲み終わったプラスチックの容器を捨てに、ゴミ箱の方へ向かっていった。

『……ずるい、』

サラッとそんな言葉言っちゃうなんて。

そんなんずるすぎるな。

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