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画面越しにオールマイトを応援する市民たち。大画面には、片腕だけを戦うための姿にしている英雄。
その前に立ちはだかる圧倒的敵意。
その激闘は、どれだけの時間行われたのだろうか。一時間のようにも感じられたし、三分だったのかもしれない。
《敵は、動かず！ 勝利！ オールマイト!! 勝利のスタンディングです!!!》
地面のクレーターに沈む敵。右腕を高く上げ、むぎゅっと筋肉質な身体に変えるオールマイト。
周りのヒーローたちは救助活動をしている。報道陣も、現状を全世界に放映し警察は敵の確保。
周囲では、自宅に帰れない人達に対する避難誘導。
切「とりあえず動こうぜ。爆豪達のことヒーローたちに報告しなきゃいけないだろ」
喉が、枯れて痛い。こんな大声を出し続けたのは何時ぶりだろうか。
その時、画面からオールマイトの声がした。戦闘中は上空からだったから声は聞こえなかったけれど、今ははっきりと。
オ《次は、君だ》
短く発信されたメッセージ。まだ見ぬ敵への警告。平和の象徴としてのメッセージだろう。
……けれど、私は勘繰らないと気が済まない。だって、最悪な想定な方が、ピースが上手くハマってしまう。
何故、あの姿を隠す必要があったのか。なんで、緑谷くんは必死に隠したがったのか。何故、片腕しか変化させられないのか。
＿＿＿次なんて無いんじゃないのか。
私のそんな嫌な予想は、後日。オールマイトの事実上引退が発表されたことによって的中することになった。
神野の事件が起こってから、私は忙しかった。毎日、警察に出向き事情聴取やらカウンセリングやら。
怒涛な数日間を送っていた割に、私の中は空っぽだ。あれだけ欠かさず作っていた食事も、まともに取れなくなっていた。
……私が、終わらせた。
私の望んだヒーローの居ない世界。私が、望んだヒーロー像に一番近い存在だった。
それを、私が弱いせいで終わらせてしまったのだ。あの時、捕まっていなければ？緑谷くんの指示を聞いて、施設に戻っていれば？
終わったことを悔やんでも仕方ないだろう。
鳴り響く母からの着信。頭を巡る姉の言葉。もう、決して帰ってこないという事実。
二週間も満たない期間で、私は失いすぎた。
……当たり前に、家では一人だ。あの時のように、私の行動を止めてくれる人はいない。
『……やっと、切れた』
背中まで伸びていた髪の一束が、床に落ちた。
＿＿＿
話数が50になるので最後早足でした。
ここまで見て下さりありがとうございます。
続編出来ました。
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みすじ。(プロフ) - エリスさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも更新頑張ります。爆豪くん、良いですよね！ (3月27日 11時) (
レス) @page17 id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 一気読みしちゃいました！更新楽しみすぎます！ばくごーくんオチに1票！ (3月26日 22時) (レス) @page16 id: 6970de97bc (このIDを非表示/違反報告)
みすじ。(プロフ) - 夜桜さん» 檻守ちゃん褒めてくれて嬉しいです。ありがとうございます！！！ (3月24日 17時) (レス) id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白いです！檻守ちゃんめっちゃ可愛いです！！！ (3月24日 14時) (レス) @page9 id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みすじ。 | 作成日時：2024年3月24日 13時
