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トガ｢チウチウ、していいの？｣
『好きってどんな感じなんやろって、最近気になっとったから。トガさんの好きはどんなん』
私が、そう言うと彼女は私の首元に食いついた。人の歯というものは本来、血が出るほど人の皮膚を裂けない。彼女の犬歯がいくら鋭いとしても。
『あ、う……い゛っ……』
痛みには強いと錯覚していたのは、いつも痛みに気づかないほどアドレナリンが出ていたからだ。
ちゃんと痛い。
トガ｢チウ、チウ｣
あぁ、でもトガさんは幸せそうだ。口の端から血を垂らしながらやっぱり笑っている。
腕が固定されてなければ、抱きしめていたかもしれない。
トガ｢フフ、ありがとう。Aちゃん｣
『ニコニコしとる』
これが、この子の愛情表現。確かに、生きづらいのかもしれないな。
いや、最後には切り刻むって言っていたから理解しちゃいけないんだけど。
『私は、ハグすんの好きやの。好きな友達には、ハグすんの。したら、落ち着くから』
なんとなく、私の尺度の話をしてみる。すると、身動き出来ない私の代わりにトガさんが私の身体を抱きしめた。
貧血だからだろうか。頭がクラクラする。トガさんのハグも自然と受け入れてしまった。
トガ｢ねぇAちゃん！ お友達になろうよ！ お友達になって、敵連合に入ろう？ ね！｣
『……それは出来ないなあ』
トガ｢なんで？ Aちゃん、心葉ちゃんが大好きなんだよね？ 敵連合に入ったら毎日ハグできるよ、毎日笑えるよ？ ねぇ、Aちゃん。
そんな暗い顔してするヒーロー楽しい？｣
トガさんは、私の頬をすくい上げて目を合わせる。
『元からこんな顔やねん、ずっと』
姉が、家を出た時からずっとこんな顔。笑うことは許されなかった。
＿＿＿あんた、笑うと怖いからやめて。
『笑うの下手やねん。いいね、貴方は。笑うと可愛い』
あんな笑顔、私には出来ない。敵ながら羨ましいと思ってしまった。人を好きになれば、笑えるようになるんだろうか。
いや、そんなメカニズムは恐らくない。
「おい、爆豪が起きたぞ！ 一生寝てな!!!」
突然、部屋の扉が勢いよく開いて全身タイツの男が入ってきた。
トガ｢仁くん!!!｣
仁と呼ばれた敵が、私を固定していた縄をせっせっと外す。それより、爆豪が起きたって言った。
『……爆豪は無事』
仁「あぁ、元気ピンピンだ！ 死んだね！」
どっちだよ。
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みすじ。(プロフ) - エリスさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも更新頑張ります。爆豪くん、良いですよね！ (3月27日 11時) (
レス) @page17 id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 一気読みしちゃいました！更新楽しみすぎます！ばくごーくんオチに1票！ (3月26日 22時) (レス) @page16 id: 6970de97bc (このIDを非表示/違反報告)
みすじ。(プロフ) - 夜桜さん» 檻守ちゃん褒めてくれて嬉しいです。ありがとうございます！！！ (3月24日 17時) (レス) id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白いです！檻守ちゃんめっちゃ可愛いです！！！ (3月24日 14時) (レス) @page9 id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みすじ。 | 作成日時：2024年3月24日 13時
