１６５ ページ26
森から、既にルートを回っている子達の悲鳴が聞こえる。多分、透ちゃんとじろちゃん。じろちゃん、怖がってたもんな。
私は、既に意気消沈して地面を眺めていた。
緑｢やっぱり怖いんでしょ｣
『怖くない』
緑｢手、震えてるよ｣
指摘されてやっと、手が震えていることに気付く。慌てて右手で抑え込もうとするが、その右手が震えていては意味が無い。
『……寒いだけやし』
緑｢意地っ張りだなあ｣
緑谷くんは、私の挙動がおかしかったのかふにゃふにゃと笑う。困った。ただの虚勢がもうバレている。
今、五番目のチーム。お茶子と梅雨ちゃんが森へと入っていった。
その時、鼻腔をどこか不快な香りが刺激した。焦げ臭いな、なんて考えつつ鼻の下を擦る。
ピ｢何この焦げ臭いの……｣
マ｢黒煙……｣
ピクシーボブと、マンダレイが森を眺めて確かにそう言った。私も、視線を上に上げると確かに黒煙が上がっている。……どうしてだ。
｢飼い猫ちゃんはジャマね｣
その時、サングラスをかけたガタイいい人間が、筒状の武器でピクシーボブの頭を傷つける。
一瞬だった。何が起こったのか分からないくらいに。
峰｢何で……！ 万全を期したハズじゃあ……！ 何で……、何で敵がいるんだよォ!!!｣
サングラスのかけた人間。恐らくトカゲの個性を持った人間。峰田さんの震える絶叫でコイツらが敵なのだとやっと認識できた。
緑｢ピクシーボブ!!｣
緑谷くんが、攻撃を受けたヒーローの名前を呼ぶが返事はない。私たちを庇うように立ちはだかるマンダレイは小さく、｢ヤバい……！｣と呟いた。
｢ご機嫌よろしゅう雄英高校!! 我ら敵連合開闢行動隊!!｣
｢この子の頭、潰しちゃおうかしら。どうかしら？｣
筒状の武器をゴリゴリとピクシーボブに押し付ける敵に、虎が｢させぬわ｣と一言。しかし、その行動すら敵の言葉で静止される。
｢待て待て早まるなマグ姉。虎もだ。落ち着け。生殺与奪は全てステインの仰る主張に沿うか否か!!｣
ステインの主義主張に当てられた人。
｢そして、アァそう！ 俺はそう、おまえ。君だよ、メガネ君！
保須市にてステインの終焉を招いた人物、申し遅れた。俺はスピナー。彼の夢を紡ぐ者だ｣
スピナーと名乗った男は、ナイフを異様な程に組み合わせ巨大になった武器を構えた。物言い的に、目標は飯田くん。私は、一歩後ずさり飯田くんに近付いた。
不思議と、手の震えは落ち着いている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みすじ。(プロフ) - エリスさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも更新頑張ります。爆豪くん、良いですよね！ (3月27日 11時) (
レス) @page17 id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 一気読みしちゃいました！更新楽しみすぎます！ばくごーくんオチに1票！ (3月26日 22時) (レス) @page16 id: 6970de97bc (このIDを非表示/違反報告)
みすじ。(プロフ) - 夜桜さん» 檻守ちゃん褒めてくれて嬉しいです。ありがとうございます！！！ (3月24日 17時) (レス) id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白いです！檻守ちゃんめっちゃ可愛いです！！！ (3月24日 14時) (レス) @page9 id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みすじ。 | 作成日時：2024年3月24日 13時
