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崖の麓で待っていた緑谷くんは、私の姿に気付くとパタパタ駆け寄ってきた。
緑｢洸汰くん、どうだった？｣
『食べとったよ。ちゃんと』
それだけはちゃんと確認した。嫌そうな顔をしつつもなんだかんだ食べていたのを見たので間違いない。
緑｢ありがとう、檻守さん｣
それが分かって、やっと安心したのか緑谷くんの顔が綻ぶ。優しいというには、お人好しすぎやしないかと思うがヒーローとしては満点なのだろうか。
……だから、オールマイトは緑谷くんに目をかけているんだろうか。初めは、個性が似ているしUSJではオールマイトがいるのに敵に対して飛び出したと聞いて、それが理由かなんて思っていたけれど。
それ以降、たまにオールマイトに呼び出されているのを見た。聞けば、職場体験先のグラントリノはオールマイトと関係ある人物らしいじゃないか。
『緑谷くんとオールマイトってなんなん？』
私が、彼の背中にそう呟くと緑谷くんはビクリと震えた。カタカタと不自然に震えながらこちらへ振り向く。
緑｢な、なんで……!?｣
『……なんでって』
何も無ければ、｢何が？｣って言うんじゃないのか。そう言えば、体育祭で焦凍くんに問い詰められた時にも歯切れの悪い返事をしていたな。
『いや、いいや。気の所為』
緑｢気の所為って……｣
緑谷くんの丸い目が更に大きく開かれて、瞳孔がきゅっと縮んだ。明らかに動揺しているのが分かる。
『じゃあ、話してくれるん？』
緑｢それは……｣
『なんも無いわけないってのは分かるけど、まあいいや。オールマイトにも言っといて。隠すならちゃんと隠せって。チラチラ尻尾見せられんのがいっちゃん気になるんよ』
私は、腰に手を当てプンッと怒る動作を見せた。緑谷くんは困ったような泣きそうな顔をして、目を泳がせている。
『急に聞いてごめん。戻ろう』
困らせるとわかって聞いたくせに、ずるいのは分かっている。
一度やせ細ったオールマイトを見てから変な胸騒ぎが止まらないのだ。秘密にすると言った。その約束は守る。
けれど、緑谷くんが、もしその秘密を知っていたとしたら？
『……考えすぎんの、悪い癖やの』
緑｢それは、分かるな。僕も同じだ｣
それから私達は、一つも会話しなかった。ただ、静かにみんながいる施設まで歩き続けるのみ。
……聞かなきゃ良かった。変に、モヤモヤが増えただけだったな。
＿＿＿
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みすじ。(プロフ) - エリスさん» 嬉しいコメントありがとうございます！これからも更新頑張ります。爆豪くん、良いですよね！ (3月27日 11時) (
レス) @page17 id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 一気読みしちゃいました！更新楽しみすぎます！ばくごーくんオチに1票！ (3月26日 22時) (レス) @page16 id: 6970de97bc (このIDを非表示/違反報告)
みすじ。(プロフ) - 夜桜さん» 檻守ちゃん褒めてくれて嬉しいです。ありがとうございます！！！ (3月24日 17時) (レス) id: 5f57a4ca31 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - めっちゃ面白いです！檻守ちゃんめっちゃ可愛いです！！！ (3月24日 14時) (レス) @page9 id: 8f7b32c140 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みすじ。 | 作成日時：2024年3月24日 13時
