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『お、遅れました……ひぃ』
こっそり教室の中へ顔を覗かせると相澤先生の視線がちらりとこちらへ向いた。あかん、目赤い。ブチ切れや。
切｢お、檻守は人混みに揉まれて大変だったんすよ！！ な、檻守｣
『う、うう、うん！ そうなんです！』
相｢まぁいい。座れ｣
切島さんにまた借りが出来てしまった。後ろをチラリと見ると、上鳴さんと切島さんがこちらを覗き込んで親指を立てている。ええ人達。
相｢切島……上鳴……檻守。指導してもいいんだぞ俺は｣
切・上｢『す、すみません……』｣
そんな怒らんでもええやんか。その日は、それ以降何事もなく一日が終わった。
『切島さん、上鳴さん！ ほんまありがとな』
帰る為に鞄に道具を詰めている二人に私は声をかける。二人はパッと顔を上げて笑った。
切｢またそれか？ 律儀なやつだなー｣
『いや、ホンマに潰れそうやってん。死ぬとこやった。命の恩人』
私はそう言いながら、二人にジュースを手渡す。多分、嫌いな人は恐らく居ないだろう炭酸飲料。二人が飲んでいるところも見たことがある気がする。
『礼！』
切｢マジか！ アザっす！｣
上｢見かけによらず、情に厚いんだなぁ｣
『じゃ！ 特売が待っとるから！』
二人が受け取ったのを確認して、私は慌てて教室を飛び出す。昨日は買えなかった特売品を、今日は買い占めるのだ。
＿＿＿＿
相｢今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見ることになった｣
瀬｢ハーイ！ 何するんですか!?｣
午後のヒーロー基礎学が始まる。昼食後は眠くなるのだが、体を動かせる実戦形式はありがたかった。
相｢災害水難。なんでもござれ。
人命救助。ヒーローの本分みたいなものだ。ここでいい成績をちゃんと残しておかなくては。先生が、コスチュームをしまっている棚をボタン一つで動かす。
茶｢どんなコスチュームにしたん？｣
『見てからのお楽しみ！』
＿＿
コスチュームに袖を通し、手の甲にワイヤーの機械を取り付ける。以前のコスチュームとは一変。足のラインが出ないようなダボッとしたパンツと、クロップタンクトップにしてもらった。つまり、腹は出たまんまだ。
今後太らないという戒めにもなる。
その上からジャケットを羽織り、ベルトを着けたら……。
ヒーローっぽい！
茶｢いいね！ ヒーローぽい！｣
『やろやろ？ 初めから適当にするんやなかった』
芦｢いいっじゃーん！ パンクな感じだね！ 似合う似合う！｣
芦戸さんが、私の腹をぺちぺちたたきながら笑った。
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ナギサ(プロフ) - 息抜きでここまでスゴイ小説がかけるとかヤバすぎます……。檻守ちゃんとはまた違う魅力のある女主ちゃんでとてつもなく好きです。最後らへんでちゃんと素直に爆豪に気持ちを伝えられてるところが1番好きでした✨ (4月8日 9時) (
レス) id: f18589988d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みすじ。 | 作成日時：2024年3月4日 17時
