１６ ページ18
『ごめん、私職員室行こうと思ってたん。ちょっと行ってくる』
茶｢え！ 戻ってくる？｣
『うん、戻る戻る』
私は、適当に返事を返して教室を飛び出した。職員室に用事というのも嘘ではない。しかし、今日でなくていい事でもある。
『爆豪』
爆｢あ？ んだチビ｣
『檻守な？』
おぁ。苛立ってる。しかし、苛立っていてもちゃんと話は聞いてくれる人間なのだと今日学んだ。
私は、爆豪の隣に立って目をしっかりと合わせる。
『今日の訓練ありがとう。爆豪おらな、勝てんかった。多分、ビル入った瞬間轟さんに凍らされておしまい。ホンマに爆豪のおかげ。ありがとう』
上手く言葉を並べられているかは分からないが、感謝している事実が伝わればいいと思った。
爆｢礼言う顔じゃねェな｣
『しゃーない。私笑うとこれよ？』
入学初日に鏡の前で作った笑顔を作って見せれば、爆豪の顔が一層強ばった。怒りとかじゃなく……、もしかしなくてもドン引きされてる。
爆｢二度と笑うな｣
『ひでぇ！』
私は、爆豪の隣で歩く。職員室は、どこだったっけな。
爆｢てめェどこまで着いてきやがる｣
『職員室行きたいんよ』
爆｢正反対だろーが!!!｣
爆豪が、私達が元きた道を指さして怒鳴った。
『爆豪に礼言うことしか考えてへんかったわ。ありがと！ また明日』
手を振っても振り返してはくれないが、爆豪の場合にこやかに手を振られてはむしろ気持ち悪いかもしれない。
爆豪の言う通り、道を引き返していると少し焦った様子の緑谷君が走ってきた。
緑｢あ、檻守さん！ かっちゃん見なかった？｣
『かっちゃん？』
緑｢え、えーと！ 爆豪勝己って言う同じクラスの｣
折れた片手に目が行く。治して貰えなかったんだろうかと考えながら、
『爆豪、さっき下足出たから急いだら間に合うと思うで』
緑｢ほんと!? ありがとう、檻守さん！｣
緑谷君は、動く方の手をブンブン振りながら爆豪を追いかけていく。可愛げが違うんだな、可愛げが。
果たして、二人がどんな関係かは知らないが私は私ですることがある。
それぞれの教室の名前が書かれた札を確認しながら歩いていると、確かに職員室を見つけた。
三回、ノックをすると中からミッドナイトの｢はーい！｣という声が聞こえる。ミッドナイトも教師してるのかこの学校。未成年ばっかだけど大丈夫なのだろうか。
『相澤先生、いますか？』
そんな、疑問はすぐに捨て去り私は第二の目的地。相澤先生の元へ来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナギサ(プロフ) - 息抜きでここまでスゴイ小説がかけるとかヤバすぎます……。檻守ちゃんとはまた違う魅力のある女主ちゃんでとてつもなく好きです。最後らへんでちゃんと素直に爆豪に気持ちを伝えられてるところが1番好きでした✨ (4月8日 9時) (
レス) id: f18589988d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みすじ。 | 作成日時：2024年3月4日 17時
